賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「伝説の賀曽利隆オンライン」(36)

(2002年10月3日)

 1ヵ月あまりをかけた「東北1万キロ」から帰ってきました。いや~、東北はおもしろいですよ!

 今回の「東北1万キロ」は、正確にいうと全行程9437キロ。その間では105湯の温泉に入り、72峠を越え、29岬に立ち、これはという東北の食べ物を29食を食べてきました。

 徹底的に東北の温泉を巡った「東北1万キロ」。下北半島では自分の記録となる1日20湯を目指しましたが、残念ながら1日18湯のタイ記録。

 その日はひと晩泊まった青森県三沢市の太郎温泉の朝風呂を第1湯目とし、同じく三沢市内にある六川目温泉を第2湯目にし、下北半島に入っていきました。石神温泉、奥薬研温泉、下風呂温泉‥と入りまくり、むつ市内の斗南温泉が第17湯目。

 すっかり日の暮れた国道279号を突っ走り、横浜温泉に行ったのですが、残念ながら時間切れで閉まっていました。悔しかった‥。

 で、最後の18湯目は野辺地のタカラ温泉。ここは公衆温泉浴場です。湯から上がるともうグッタリ。心臓もパックンパックン状態。腰が抜けてしまうんですね。おしかったのは薬研温泉とむつ市内の温泉にもうすこし入ればよかったなあ‥ということでした。そうすれば1日20湯も達成できたはずなのです。

 昨年の「仙台→米沢」にひきつづいての、今年の「三沢→野辺地」の1日18湯。

「よーし、今度こそ、1日20湯を達成するゾ!」

 と、気分を新たにし、温泉に燃えるカソリなのです。

 峠越えでは今までほとんど越えていなかった阿武隈山地北端の峠群を越えられたのがよかったです。八甲田や八幡平の峠では、すでの紅葉がはじまっていました。

 食べ物では福島県小名浜漁港の戻りガツオと旬のサンマの刺し身がうまかったです。あらためて小名浜は刺し身のうまいところだと実感。宮城県のかっては捕鯨でおおいに栄えた鮎川漁港では、港近くの「黄金ずし」で日本で唯一?の「鯨ずし」を食べました。握りのネタのミンククジラの赤身と白身の脂が絶妙の取り合わせでした。

 今日、これから「東北1万キロ」の第2弾に出発します。今回は南部に限ったエリアですが、東北をもうすこしめぐってきます。

(2002年10月29日)

 今日はうれしい一日でした。

ユーラシア大陸横断」のバイク、スズキDR-Z400Sを横浜港に引き取りにいったのです。横浜港の大黒埠頭には「ユーラシア軍団」のみなさんが続々と集まりました。

道祖神」の菊地優さん、メカニックの小島努さんのほかに、水島治さん、菊池久さん、日向野淳さん、新保一晃さん、掛下文彦さん、伴在哲さん、後藤章浩さん、石井敬さん、本岡賀生里さん、それとカソリと、19名のメンバーのうち、なんと12名のみなさんが日本各地から集まりました。さらに佐藤賢次さんの代理として息子さんが来ました。

 8月15日に成田空港で別れて以来、まだそれほど日がたっているわけでもないのですが、「ユーラシア軍団」のみなさんとの再会は胸がジーンとするほどなつかしいものでした。1万5000キロの「ユーラシア大陸横断」を走りきった自信がみなさんにみなぎっているのがよくわかりました。6月28日に富山県の伏木港で会ったときとは、ずいぶんと違う印象をみなさんからは受けました。

「ユーラシア横断」から帰ったあと、日向野淳さんと後藤章浩さんは2人でニュージーランドを走ってきました。ものすごい強風にあおられながら走ったこと、80キロもつづく海岸の長い砂浜を走ったこと、ニュージーランドのフィッシュ&チップスのびっくりするほどのものすごい量の多さなどを話してくれましたが、日向野さんには「ニュージーランドは最高。カソリさんもぜひとも走りにいったらいいですよ」といわれました。

 新保一晃さんは風間深志さんらとモンゴルを走ってきました。同行のメンバーが次々に転倒し、鎖骨を折ったり、肋骨を折るといったアクシデントの中で、新保さんは無傷で帰ってきました。

 60歳を超えている水島さんは来月、出発するのですが、4ヵ月がかりでの「オーストラリア一周」に挑戦します。水島さんには「カソリさん、今度は西アジア経由でユーラシア大陸を横断しましょう!」といわれました。

 桜田雅幸さんはいまだにユーロッパ周遊中で、すでに相当の距離を走っています。このように「ユーラシア軍団」の面々はものすごいパワーの持ち主たちです。マドリッドに到着する寸前に大事故を起こした林真司さんは今、日本の病院に入院していますが、日に日によくなっているとのことでひと安心といったところです。一日も早い全快を祈ります。 みなさ~ん、11月23日の「たき火フォ~ラム」でお会いしましょう!

「たき火ふぉ~らむ」では、写真をまじえての「ユーラシア大陸横断」の報告もします。