賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「伝説の賀曽利隆オンライン」(35)

(2002年9月1日)

 今日、これから「東北1万キロ」に出発します。

 スズキDJEBEL250XCを走らせ、30日をかけて東北を縦横無尽に駆けめぐろうと思っています。東北は日本一の温泉天国。いくつもの温泉に入ろうと期待に胸をふくらませています。東北には混浴の温泉も多いので、「いいことあるかなあ」なんて、そんな期待もしています。

 東北各地の郷土料理も、一食でも多く食べてみたいと思っています。

 東北を一周しながら、ひとつでも多くの岬に立ち、ひとつでも多くの峠を越えようと思っています。なにしろ“峠のカソリ”、“岬のカソリ”なのですから。

 今回の「東北1万キロ」はみなさんもお使いになっている昭文社の『ツーリングマップル』の取材を兼ねて行くものです。

ツーリングマップル』は来年、大幅に改定されます。デジタル化され、ベースの地図も変わります。体裁も変わります。それにともなって内容も変わります。

 ぼくは『ツーリングマップル』の東北編を担当しているのですが、なにかすごく新たな気持ちで東北を見てまわれるような気分になっていて、おおいに「東北1万キロ」に胸をときめかせている次第です。

 東北をおもしろがれるようになってから、もう何年にもなります。

 最初、東北は北海道への通り道ぐらいでしかありませんでした。ところが何度か東北を通って北海道に行くうちに、

「東北の方がよっぽどおもしろいぞ!」

 と思うようになり、東北にのめり込んでいきました。

 今日はぼくの誕生日。55歳になりました。

 55歳での「東北1万キロ」への旅立ちということになります。

 それにしても、月日のたつのはなんとも速いものですね。20歳のときにアフリカに旅立ってからすでに35年。その間、ずっと、日本を世界をバイクで駆けめぐってきましたが、なにか、あっという間に過ぎ去っていった35年のような気もします。

 さー、気合をいれて東北をめぐってきますよ。

 それでは行ってきます!