賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「伝説の賀曽利隆オンライン」(32)

(2002年5月12日)

 今日、(株)「道祖神」のバイクツアー、「カソリと走ろう!」シリーズの第7弾、「ユーラシア大陸横断」のメンバー、ほぼ全員が集まりました。20代の方から60代の方までぼくを含めて総勢17名。そのほかサポートカーには道祖神の菊地優さん、メカニックの小島努さん、それとロシア人ガイドが乗るので総勢20名ということになります。我ら「ユーラシア軍団」、17台のバイクで広大なシベリアを横断し、ウラル山脈を越え、ユーラシア大陸を横断し、ヨーロッパ最西端のロカ岬を目指します。

 そのシーンを想像すると、胸の高鳴りを抑えることができません。50日間、全行程1万5000キロという史上最大のバイクツアーへの期待が大きく膨らんでいきます。

 ぼくにとってのバイクツアーの魅力は、一緒に走る「みなさん」に尽きる、といってもいいほどです。今回の「ユーラシア大陸横断」には、そのきっかけとなった「サハリン縦断」のメンバー、佐藤博司さんと伴在哲さんの2人がいます。

 佐藤さんは医師。病院を辞めての参加で、この「ユーラシア大陸横断」に人生をかけているかのような意気込みです。

「モンゴル周遊」を一緒に走った桜田雅幸さんも参加しています。桜田さんとはモンゴル帝国の都、カラコルムの丘に立ち、「あの向こうへ、いつの日か、ユーラシア大陸を横断したいね~!」と夢見た日がなつかしく思い出されます。

 水島治さんは昨年の「たき火ふぉ~らむ」に娘さんとお孫さんの親子3代で参加して下さった方。ロシアにじつに詳しい井染信夫さんは、なんと30年前、ぼくがアフリカをヒッチハイクでまわっていたとき、ザンビアで出会った方でした。

 紅一点は我ら「ユーラシア軍団」最年少の本岡賀生里さん。

 みなさんの「ユーラシア大陸横断」にかけた思いにはじつに熱いものがあり、1万5000キロの間で起こるであろうドラマに今から胸がドキドキします。6月27日、富山県伏木港からロシア船に乗ってウラジオストック港へ、そこからバイクで走り出します。ロカ岬到着は8月12日の予定です。

 みなさん、6月8日(土)の「島編・日本一周」の報告会(東京・目黒区民会館 18時より)には、ぜひともお出でください!

(2002年5月28日)

 5月24日、神奈川県大和市の「スズキオートプラザ大和」で「ユ-ラシア大陸横断」を走るDR-Z400Sを引き取りました。カラーはイエロー。ピカピカの新車。店長の畠山さんらの見送りを受けて走りだしましたが、これがユーラシア大陸最西端、ロカ岬への道の第一歩になりました。

 国道246号で伊勢原市の我が家に戻ると、ザックを背負って浜松へ。「ユーラシア大陸横断」1万5000キロを夢見ながら走るのは、また格別な味わいというもの。DRのエンジン音がすごく弾んで聞こえます。

 浜松でひと晩、泊まり、5月25日は快晴の青空のもと、秋葉山下のキャンプ場へ。そこがスズキJAJA主催の「賀曽利隆と行く1泊2日キャンプツーリング」の会場。参加者は限定6人。いたれりつくせりの「キャンプツーリンング大会」になりました。

 このイベントには根っからの「スズキ党」が集まりました。

 さっそく「秋葉軍団」を結成。中身の濃~い、ノリのいい「秋葉軍団」の面々。青空のもとでの昼食のあとは、カソリ、初体験のカヌーに挑戦。気田川の清流で先生の指導のもと、カヌーをあやつるのですが、そう簡単にはいきません。何度も「沈」をし、擦り傷だらけの悪戦苦闘の末、ある程度、乗れるようになったところで1時間ほどの川下り終了。

 夕日が山の端に落ちたころで「キャンプ大会」のはじまり。「秋葉軍団」の本領発揮といったところです。

 折しも満月の夜。盛大な焚き火をバンバン燃やし、焼き肉をたらふく食べながら缶ビール、ワイン、清酒、焼酎、泡盛となんでもありありで飲みつづけ、「ツーリング談義」に花を咲かせました。

 全員が「スズキ党」なので、当然、スズキ車の話題でもおおいに盛り上がりました。宴会がお開きになったのは夜中の3時過ぎ。いつものように焚き火のまわりでゴロ寝し、5時前、夜が明けると目をさまし、焚き火を大きくして今度は早朝宴会がはじまるのです。「秋葉軍団」のパワー、恐るべし!

 5月26日もすばらしい天気。みなさんと一緒に、新緑を見ながら渓流沿いの道を走り、峠を越え、温泉に入り、山里の味覚を味わいました。全行程623キロ。「ユーラシア大陸横断」を目指しての、DR-Z400Sには最高の慣らし走行になりました。

 6月28日には富山・伏木港からロシア船でロシア沿海州のザルビノ港へと向かっていきます。