賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「伝説の賀曽利隆オンライン」(29)

(2002年2月10日)

 東京・目黒の旅行社「道祖神」主催のバイクツアー、「カソリと走ろう!」シリーズの第7弾、「ユーラシア大陸横断」の日程が決まりました。6月下旬の富山港発のロシア船でウラジオストックに渡ります。ウラジオストックからは、ハバロフスクイルクーツク、ノボシビルク経由でシベリアを横断し、ウラル山脈を越えてモスクワへ。ベラルーシポーランド、ドイツ、フランス、スペインを走り抜け、ユーラシア大陸最西端、ポルトガルのロカ岬を目指します。1万5000キロの「ユーラシア大陸横断」、これを50日間で走ろうという計画。まさに史上最大のバイクツアーなのです。

「カソリと走ろう!」シリーズの第1弾は1993年の「目指せ! エアーズロック」。オーストラリア東海岸ブリスベーンを出発点にし、大陸中央部の世界最大の一枚岩、エアーズロックを目指したのです。参加者のみなさん方との毎夜のキャンプはなんとも楽しいものでした。カソリ、40代も半ばになって、みんなで一緒になってツーリングするおもしろさを知ったのです。ぼくにとっては画期的なことでした。

 そのあと「タクラマカン」、「モンゴル」、「チベット」、「サハリン」、そして昨年の世界最長ダート「キャニングストックルート」へとつづくのです。

 ぼくにとって、このバイクツアーの一番大きな魅力は、参加されるみなさん方との出会いです。ほんとうにすばらしい人が多い。人間、40も過ぎると、なかなか新たな友を得るのは難しいものです。ところがこの「カソリと走ろう!」シリーズのバイクツアーのおかげで、これから先、ずっと一生つきあっていける仲間を何人も得ることができました。これは何にもかえがたい財産です。

 今まで走ってきたコースは、どれをとってもハードなものばかり。参加者全員で力を合わせて困難を乗り越えていかなくてはならなかったので、よけいに強固な結びつきができあがったのだと思います。

 さー、ユーラシア大陸最西端のロカ岬を目指して、行くゾー!

(2002年2月25日)

 昨年の3月22日にスタートさせた「島編・日本一周」も、いよいよ最後の「沖縄編」を迎えました。3月2日、午前11時名古屋港フェリー埠頭発の有村産業の「クルーズフェリー飛龍」で那覇に向かいます。

「沖縄編」は2度に分けてまわろうと思っていますが、今回はその第1弾。沖縄本島とその周辺に島々をめぐります。沖縄本島の周辺には西海の東シナ海には伊平屋島伊是名島粟国島渡名喜島久米島慶良間列島の島々、東海の太平洋には聖地の久高島や津堅島浜比嘉島などの島々があります。さらに沖縄本島と橋でつながった瀬長島、瀬底島、奥武島屋我地島や、海中道路で行く平安座島、宮城島、伊計島などの島々もあります。沖縄本島とそれら周辺の島々というのは、本土4島とその周辺の島々の関係にも似ていて、そのミニ版といった感がします。

 沖縄本島は面積でいえば択捉島国後島に次ぐ日本第3の大島、人口でいえば日本第一の大島です。沖縄本島には那覇市をはじめ、糸満市浦添市宜野湾市沖縄市具志川市石川市、名護市と8市もあります。国道にしても58号を筆頭にして329号、330号、331号、332号、449号と6本もの国道があります。これはほかの島にはないこと。

 ちなみにひとつの島で2つ以上の市があるのは、本渡市牛深市の2市がある熊本県天草下島だけです。また2本以上の国道のある島もごく限られたものです。このことからも、沖縄本島は日本の他の島とは比較にならないほど大きな島といえます。

 沖縄本島は今まで何度かバイクで走っていますが、日本のほかの島々と比較し、また本島周辺の島々に焦点を当ててまわると、また違った沖縄が見えるのではないかとおおいに期待しています。

「沖縄編」の第2弾目、4月には、さらに南の宮古諸島八重山諸島先島諸島の島々をめぐろうと思っています。

「島編・日本一周」ではここまで50㏄バイクのスズキSMX50を走らせてきましたが、「沖縄編」ではバイクをチェンジし、同じくスズキ車の“郵政バイク”でよく知られているFB90でまわります。

 さー、沖縄、徹底的に走りまわってやるゾー!