「東海道53次・復路編」(6)吉田宿→浜松宿
吉田宿の豊橋から国道1号で静岡県境に向かっていく。その途中で旧東海道に入り、二川宿へ。古い町並みが残り、「二川宿本陣資料館」がある。ここは必見。そんな二川宿を走り抜けようとしたときのことだ。
今回の「東海道往復」&「四国八十八ヵ所めぐり」最大のピンチに見舞われた。それはあまりにも突然のことだった。
ぼくはスズキ・アドレスV125Gを走らせ、直進していたが、左手から合流する道から車が1台、近づいてくるのを見て速度を落とした。その車も当然のことだが、速度を落とし、止まろうとした。そのあと信じられないことが起きたのだ。
止まる寸前だった車は突如、アクセル全開という感じで飛び出し、右折しようとした。何が起きたのか、まったくわからなかったが、本能的に飛び込んできた車をからくもハンドリングでかわした。その差といったら、わずか数センチでしかない。暴走してきた車に吹っ飛ばされても、まったくおかしくない状況だ。というよりも、よくぞ車をかわせたものだと心底、胸をなでおろした。
運転していたのは年寄りだ。おそらく停止線で止まろうとしたとき、あやまってアクセルペダルを踏み込んだのだろう。それも思いっきり。もしぶつかっていたら、あの勢いで飛び込んだ車にバーンと跳ね飛ばされ、それこそ命にかかわる事故になっていたことだけは間違いない。
災いはとんでもないときにやってくる。
これは旅の鉄則だ。
愛知県から静岡県に入る。旧国でいうと三河から遠江に入ったことになる。
旧東海道で白須賀宿の町並みを走り抜け、次の新居宿では「東海道53次・往路編」のときと同じように新居の関所を見学。そして弁天島を通って舞坂宿に入っていった。ここでは脇本陣を見学。無料で見ることができる。東海道でこれだけしっかりとした脇本陣が残っているのはここだけだ。
脇本陣の見学を終えると昼食。「つるや」で「うな丼」を食べた。満ち足りた気分で舞坂宿(現在の町名は舞阪)の町並みを走り抜け、国道1号を渡り、松並木に入っていく。ここには全部で330本の松があるという。
そのまま旧東海道を走り、途中、JR舞阪駅に立ち寄り、篠原で国道257号に合流。
この国道257号は国道1号の旧道だが、浜松の中心街まではほぼ旧東海道に重なりあっている。
浜松駅前に到着。浜松駅の周辺は浜松宿の中心でもあったが、東海道の宿場の面影は今はまったくといっていいくらいに残っていない。浜松駅からは往路編のときと同じように浜松城に行き、天守閣に登り、浜松の市街地をみおろした。
スズキのみなさんには大歓迎された。
今回、新車で出してもらったアドレスV125Gだが、東京・日本橋を出発してからここまで7765キロ、走っている。その間はノントラブル。完璧に走ってくれている。そんなアドレスの里帰りだ。
スズキのみなさんと会議室でしばらく「アドレス」で語り合ったあと、夜はうなぎ専門店の「かねりん」で「うな重」をご馳走になった。宮本さん、村上さん、ご馳走さま!
昼食にひきつづいての夕食のウナギに「ウナギ大好き人間」のカソリ、もう大満足だ。
二川宿の案内板
白須賀宿の町並み
新居宿の新居関所
舞坂宿に入っていく
舞坂宿の港
舞坂宿の脇本陣内
「つるや」の「うな丼」
舞坂宿の松並木
浜松宿に到着。ここは浜松駅前
中田島砂丘を歩く
「かねりん」の「うな重」