賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

伝説の「賀曽利隆オンライン」(11)

(2010年7月10日)

 我が家のカーポートには、ツバメの巣が2つあります。ツバメがやってくるのは、だいたい3月下旬の頃。昨年も今年も、3月31日でした。

 それからの毎日というものは、けっこうツバメのことが気になる日々なのです。

 ツバメの大敵はカラスとネコ。一度、カラスが飛び込んできて、巣立つ直前の5羽のひながいっぺんにショック死したことがありました。

 またネコは、車の屋根の飛び乗り、そこでじっとうずくまり、ツバメにとびつくチャンスをねらっているのです。巣に飛びついて巣を壊し、雛を落とすこともあります。そこで、今年はなんとツバメのために遠くに駐車場を借りました。

 ツバメが来るようになってからというもの、カラスとネコは大嫌いになりました。

 ツバメがやってきたからといって、すぐに卵を産むわけではありません。なかなか卵をうまないのでやきもきしてしまいます。

 また、卵を産んでからも、雛がかえるまでというのは、

「大丈夫かなあ、ほんとうに生まれるかなあ…」

 と、やっぱりやきもきしてしまいます。

 雛が生まれ、親がエサをあげるようになると、あっというまに大きくなっていきます。 親は見ているぼくの胸が痛くなるくらい、一生懸命にエサを与えつづけます。

 そして先週、5羽づつ、10羽の雛が巣立っていきました。雛たちは家の前をクルクル旋回し、うれしそうに飛んでいくのです。この生きることに一生懸命なツバメたちの姿を見ていると、すごく元気が出てきます。

(2010年7月25日)

 うだるような暑さが連日つづいています。

 7月18日、19日の両日、『バックオフ』編集長の瀬戸雅彦さんと、関東と東北の境目一帯の林道群を走破してきました。

「カソリの林道情報」として掲示板でもみなさんにお伝えしましたが、まさにこの一帯(茨城県北茨城市福島県いわき市の境周辺)は知られざる林道の宝庫なのです。

 2日間で16本の林道、合計115・7キロのダートを走ってきました。

 この北関東&南東北の林道群は9月6日発売の『バックオフ』で紹介しますので、ぜひともご覧下さい。

 ぼくは100キロ超のダートをスズキのニューマシン、DR-Z400で走りましたが、ものすごくダート走行の楽なバイクです。400㏄とは思えないほどの軽快感で、自分のダート走行の腕が上がったかのような錯覚すらおぼえてしまうほど、自由自在に林道群を走りまわることができました。

 このDR-Z400では5月に九州道の人吉ICまで1300キロの高速一気走りをしましたが、高速走行のすばらしさと合わせて、絶対におすすめのバイクです。

 8月1日には、サハリンに向かって東京を出発します。バイクは昨年の「日本一周4万キロ」を走ったスズキDJEBEL250GPSバージョンです。

 まず最初の「東京→青森」間では林道を何本かつないで走ります。青森では“温泉の大ちゃん”こと高橋大輔さんが、新しく発見したという八甲田山中の温泉を教えてくれるというので、すごく楽しみしています。

 函館からは日本海に沿って稚内へ。稚内ではサハリンを一緒に走る20余名のみなさんとの感動の出会いが待っています。

「サハリン軍団」のみなさん、サハリン最北の地を目指して走りましょう。

 稚内に戻るのは8月17日。そこからさらに北海道、東北と走り、8月31日に東京に戻ってくる予定でいます。ということで、次回以降の2回のメセージは、旅の途中からの手紙という形で、みなさんにお伝えします。

(1周年の挨拶)

 みなさんのおかげさまで、「賀曽利隆ONLINE」は1周年を迎えることができました。ほんとうにありがとうございます。

 その間、大勢のみなさんにアクセスしてもらえたことをうれしく思っています。

 昨年の7月に『世界を駆けるゾ!20代編』(フィールド出版)を出してからというもの、『旅の鉄人カソリの激走30年』(JTB)まで、1年間で7冊の本を書きました。それを多くのみなさんに読んでもらえたのは、まさに「賀曽利隆ONLINE」のおかげだと思っています。インターネットのすごさを実感しています。

 ぼくは今まで、書くことによって読者のみなさんに、いろいろと自分のことを伝えてきましたが、「賀曽利隆ONLINE」の開設以降というもの、インターネットによって、それも瞬時に、大勢のみなさん方に情報を伝達することが可能になりました。

 そのことによって、自分の行動の幅も、大きく広がったように思います。

「世界を駆けるゾ!」を合言葉に、ますます気合を入れてバイクで日本を、世界を駆けめぐるつもりにしています。

 これからも事務局のみなさん方ともども、さらに「賀曽利隆ONLINE」には力を入れていきますので、なにとぞご支援のほど、よろしくお願いします。