台湾一周2010(41)
6月23日(水)礁渓→台北(その3)
台湾・最東端近くの名無し峠は絶景峠。駐車場にスズキ・アドレスV125Gを停め、台鈴のみなさんと一緒に、しばし峠からの眺めを楽しんだ。
峠道を見下ろす高台はけっこう平坦で、日本ならここに大眺望を売り物にする「峠の茶屋」とかができるところだが、台湾ではまったくの自然のままだ。観光地的な色彩は一切なく、海岸沿いにも道があるので、通る車はほとんどない。
名残りおしい名無しの絶景峠をあとにし、峠を下っていく。
台湾最北の海が見えてくる。山裾には九フン(人偏に分の字)の町並み。右手に見える山並みの先端が台湾の最北東端の岬、鼻頭角になる。
峠をくだり、九フンの町に入っていく。駐車場にアドレスを停めると、オールドストリートを歩く。ここは今や台湾有数の人気スポット。大勢の観光客が押し寄せてくる。日本人観光客も多く来るようで、日本語の案内も出ている。
九フンはもともとは山間の寒村にすぎなかったとのことだが、19世紀末に近くで金鉱が発見され、一躍ゴールドラッシュに沸いた。その金鉱というのは隣り町の金瓜石だ。しかし金鉱はやがて衰退し、1970年代には閉山され、この地はすっかり忘れ去られてしまう。
それが突如、息を吹き返し、台湾の人気スポットとして脚光を浴びるようになったのは1989年のことだという。九フンのレトロな町並みが、台湾では空前のヒット作となった映画「非情城市」のロケ地になったからだ。「非情城市」はベネチア映画祭でグランプリに輝き、九フンの人気はさらに高まったという。
2001年に公開されたアニメ映画「千と千尋の神隠し」のモデルになった町として紹介された以降は、日本人観光客もどっと訪れるようになったという。
九フンのみやげもの店や食堂、喫茶店などが軒を並べるオールドストリートを歩いていると、明らかに日本人のツアー客とわかるグループに出会った。日本人のツアー客を見るのは、台北を出発して以来、初めてのことになる。
九フンのオールドストリートを歩きを終えると、台湾北部の中心地、基隆(キールン)に向かった。
台湾最東端近くの絶景峠を出発
台湾最北の海が見えてくる
九フンを見下ろす寺院
九フンを歩く
九フンの店