台湾一周2010(40)
6月23日(水)礁渓→台北(その2)
「礁渓館」に戻ると、宿の朝食を食べ、礁渓温泉を出発。国道9号と分れ、海沿いの道を行く。海辺のパーキングエリアにスズキ・アドレスV125Gを停め、沖に浮かぶ亀山島を眺める。このあたりの海はサーフィンには絶好だとのことで、多くのサーファーの姿が見られた。
海沿いには小さな漁港が点在しているが、そのうちのひとつに立ち寄った。
漁船は日本では見られないような老朽船。漁を終えた漁船からは魚介類が水揚げされていた。漁港の魚市場を見、アナゴをさばいているオバチャンたちと言葉をかわした。
そして台湾最東端の地、三チョウ角に到着。そこには白い灯台が立っている。山がちの風景で、海岸まで迫る山並みはそのままストンと海に落ちている。
これで台湾最南端のガラン鼻につづいて、最東端の地にも立った。
我らツーリングライダーというのは最果ての地が大好きで、たとえば「日本一周」のときも、日本本土の東西南北端にはすごくこだわる。
ちなみに最北端は宗谷岬(北海道)、最南端は佐多岬(鹿児島)、最東端は納沙布岬(北海道)、最西端は神崎鼻(長崎)になる。
さて台湾だが、最北端は基隆の北西の冨貴角、最西端は台南の北を流れる曽文渓の河口になる。
満足した、満たされた気分で三チョウ角を離れる。
いったん海岸に下ると、海岸のすぐ近くとは思えないような山中に入っていく。
アドレスは125㏄とは思えないようなパワーを発揮し、グングンと登っていく。やがて峠に到達。絶景峠だ。
峠道を一望し、幾重にも重なって連なる山並みを眺める。
台鈴の李さんらに峠の名前を聞いたが、どうも名無し峠のようだ。
「峠」を台湾では何というのか聞いてみたが、これといったいい方はないようだ。
「山のヤコウ(ヤは口編に亜細亜の亜、コウは口)」というようないい方があるらしい。中国では「嶺」を使うことがある。大興安嶺山脈や小興安嶺山脈にあるような「嶺」だ。だが、中国でも名無しの峠はたくさんあるし、中国人はあまり峠にはこだわらない。それがチベットやモンゴルになると、峠はきわめて神聖な場所で、必ずといっていいほど名前がついている。
日本の「峠」は漢字ではない。日本人が作り出した国字である。つまり「とうげ」に当てはめるような漢字がなかったからであろう。
岬同様、峠でも、日中間の文化の違いを感じる。峠にこだわる日本人、峠はほとんど気にかけない中国人…、このあたりの文化の違いがじつにおもしろい。
礁渓温泉「礁渓館」の朝食
「礁渓館」を出発
亀山島を見る
小さな漁港に立ち寄る
漁を終えて戻ってきた漁船
漁港の魚市場
アナゴをさばいている
台湾の最東端の地に到着
三チョウ角の灯台
灯台のプレート
台湾最東端の地からの眺め
海岸から山中に入っていく
峠に到達!
峠からの眺め
峠道を一望する