賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾一周2010(39)

6月23日(水)礁渓→台北(その1)

 礁渓温泉「礁渓館」では目を覚ますのと同時に、部屋の湯船に温泉を流し込み、朝湯に入る。どっぷりと湯につかる気分はたまらない。ここは高層の温泉宿なので、湯につかりながら礁渓温泉の温泉街を眺めた。湯にどっぷりつかる、これが日本風の温泉宿ということなのだろう。

 最高に気持ちいい朝湯から上がると、町歩きに出かける。

「礁渓館」のフロントには「和風」と大きく書かれ、日本風の温泉宿を強調している。ほかにも「和風」の看板を掲げている宿もあるが、日本風の温泉宿は台湾人にも人気があるようだ。

 礁渓温泉はさすが台湾でも有数の温泉地だけあって、温泉ホテルや温泉旅館が建ち並び、温泉宿に駐車している観光バスが数多く見られる。

 ここには温泉公園がある。温泉の流れのなかに立ち、足湯を楽しんでいる人たちがいる。公衆温泉浴場もあるが営業は10時からで、残念ながら入れなかった。

 台湾の温泉というと、台北に近い新北投温泉が有名だ。温泉宿が建ち並び、公衆温泉浴場もある。日本風の温泉宿もある。泉質は硫黄泉。ここは台湾最大の温泉地で歓楽街の色彩も強い。

 陽明山温泉は新北投温泉の東側、ナショナルパークにもなっている陽明山公園にある温泉。ここでは台湾の四季折々の自然を楽しめる。泉質は硫黄泉。

 烏来(うらい)温泉は山地民のタイヤル族が多く住む烏来にある温泉。原生林に囲まれた温泉郷で泉質は重曹泉。近くには台湾屈指の名瀑、高さ82メートルの烏来滝がある。

 台東近くの知本温泉は日本時代から温泉郷として開発された。温泉街をとりまく自然は豊か。泉質は炭酸泉。1976年の「台湾一周」のときに入った畑の隅から湧き出る天然の露天風呂が忘れられない。

 嘉義に近い関子嶺温泉と、台湾の最南端近くの四重渓温泉は「台湾四大温泉」に数えられている。この「台湾四大温泉」というのは日本時代からの温泉で、新北投温泉、陽明山温泉、それと関子嶺温泉、四重渓温泉の4湯。これら4湯は台湾の名湯として知られていた。

 台湾各地にはそのほか100ヵ所以上に温泉があるという。

 日本では3000湯以上の温泉に入っている「温泉のカソリ」、いつの日か、台湾の全湯制覇をしたいものである。

 礁渓温泉の温泉街を歩き、礁渓の町を歩き、「礁渓館」に戻った。

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「礁渓館」の朝湯に入る

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「礁渓館」の「和風」

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早朝の礁渓の町

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礁渓温泉を貫く国道9号のルート表示

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礁渓温泉では数多くの観光バスを見る

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礁渓の温泉公園

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温泉公園で朝の体操をする人たち

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温泉公園で足湯をする人たち

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礁渓の路地裏を歩く

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礁渓の関東煮(おでん)の店