賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾一周2010(36)

6月22日(火)瑞穂→礁渓(その3)

 太櫓閣を出発し、国道9号で宜蘭(ぎらん)に向かっていく。清水という町を過ぎると「台湾版・親不知」といった清水断崖に入っていく。切り立った山並みがストンと海に落ち、断崖絶壁を貫くトンネルが連続する。

 ここも太櫓閣峡谷とともに「太櫓閣国家公園(ナショナルパーク)」に指定されているが、それにしてもすごい断崖絶壁だ。

 海岸からわずか4キロの地点に標高2407メートルの清水山がそびえている。ここでの標高差は何と2407メートルにもなる。世界中を探しても、こんなところがほかにあるだろうか。アンデスの山並みが比較的、海岸に近いが、海岸からわずか4キロの地点にこれほどの高峰はない。

 親不知の場合は海岸から4キロの地点に北アルプス最北の山、尻高山がある。標高は677メートル。清水山とは桁が違いすぎる。

 清水山の北西には中央山脈では最北となる3000m峰の南湖大山(3740m)と南湖北山(3535m)が聳えている。

 台湾は日本以上の山国で、最高峰の玉山(3952m)を筆頭に、3000m峰は何と133峰を数えるという。ちなみに日本で3000m峰というと9峰でしかない。

 台湾の3000m峰の133峰の大半は台湾の脊梁山脈の中央山脈にあるが、それのみならず、南湖大山の北西に連なる雪山山脈にも雪山とか大雪山といった3000m峰がある。

「日本一周」で沖縄の与那国島に渡ったとき、日本最西端の西(いり)崎に立った。残念ながら水平線上に台湾は見えなかったが、地元の人の話によると、年に数回は見えるという。西崎から台湾までは100キロほど。

「ここからだと新高山(玉山のこと)が、こんなに大きく見えますよ!」

 といって、両手を広げて説明してくれた人の話は忘れられない。

 その人によると、中央山脈の3000m峰が水平線上にズラズラズラッと連なる台湾の眺めは島ではなく、まるで大陸のようだという。

 与那国島の西崎からだと、台湾を真横から見るような形になる。

 清水断崖を走り抜け、南澳の町に到着。南澳駅前でスズキ・アドレスV125Gを停め、駅前食堂でカキ氷を食べた。

 それにしても清水断崖はすごい風景だった。

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清水断崖を一望する

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台湾一周のスズキ・アドレスV125G。清水断崖の駐車場で

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清水断崖も「太櫓閣国家公園」

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南澳駅の駅前

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南澳駅の駅舎

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南澳駅の駅前通

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南澳駅の駅前食堂

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駅前食堂のメニュー

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駅前食堂でカキ氷を食べる