賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「青春18きっぷ2010」(51)

第6日目(新潟→東京・その9)

 水戸駅では待ち時間が20分あったので、改札口を出て最初は南口、次に北口の駅前広場まで行く。メインは北口だ。

 水戸駅前の夕暮れの風景を眺め、水戸駅に戻ると、17時00分発の水戸線の小山行に乗車。4両編成の電車で座席はロングシート茨城県の水戸からは、水戸線両毛線で北関東をぐるりとまわり、群馬県の高崎まで行くのだ。このルートに沿って国道50号が走っている。

 水戸を出ると赤塚、内原と停まり、次の友部で常磐線と分れる。

「日本三大稲荷」の笠間稲荷のある笠間駅真岡鉄道関東鉄道の分岐する下館駅、名産の結城紬で知られる結城駅を通り、18時25分、終点の小山に到着。水戸線は終点の小山駅は栃木県になるが、それ以外は全部の駅が茨城県内になる。水戸線イコール茨城線といってもいいほどだ。

 東北本線東北新幹線と交差する小山駅では、18時34分発の両毛線の高崎行に乗る。5両編成の電車でやはり座席はロングシートだ。

 両毛線の「両毛」には心ひかれるものがある。

 古代「毛野(けぬ)国」が、今の群馬県に相当する上野(こうづけ)国と、今の栃木県に相当する下野(しもつけ)国に分かれたが、その2つの「毛」の国を結ぶので両毛線。「上野」の古称は「上毛野(かみつけぬ)」で、「下野」のは古称は「下毛野(しもつけぬ」だった。

 旧国は日本をおもしろく旅するキーワードだと僕は思っている。それがこうして鉄道名に残っているのが興味深いし、うれしいことだ。

「青森→水戸」間で乗った奥羽本線羽越本線磐越西線磐越東線常磐線の5路線は、すべて旧国の国名にちなんだもの。

 奥羽本線の奥羽はまさに東北そのもので、陸奥・出羽2国の「奥羽」からきている。

 羽越本線は出羽と越後を結ぶ路線で、出羽・越後2国の「羽越」からきている。

 磐越西線・東線も同様で、磐城・越後2国の「磐越」からきている。

 東北は明治以前は陸奥と出羽の2国だったが、明治元年陸奥を5分割して磐城、岩代、陸前、陸中、陸奥の5国が誕生した。同じく出羽も羽前、羽後の2国に分割された。

 常磐線常陸と磐城を結ぶ路線で、常陸・磐城2国の「常磐」からきている。

 両毛線の高崎行は栃木、佐野、足利と通り、栃木県から群馬県に入っていく。小俣駅までが栃木県で、ここまでが「下野国」になる。群馬県側の最初の駅が桐生駅になる。

 ところでこの「両毛」の境は、ほんとうにわかりにくい。普通、国境というと峠だったり、川だったりしてわかりやすいところが多いのだが、ここは別だ。それだけ両毛が近いということなのだろう。

 その結果、足利と桐生は混同されやすい。

「どっちが栃木県で、どっちが群馬県だっけ…」

 と、ぼくなどはしょっちゅう間違えてしまう。

 両毛線のすぐ近くを走る国道50号をバイクで何度となく走っているのに…。

 高崎行の電車は桐生を出ると、岩宿、国定、伊勢崎、駒形に停車し、県都前橋に到着。前橋駅というのは両毛線の駅なのだ。前橋の次の新前橋駅上越線に合流し、20時29分、終点の高崎駅に到着。これで水戸線両毛線、2路線の全線完乗だ。

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常磐線水戸駅に到着

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夕暮れの水戸駅

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水戸駅の改札口

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水戸駅前(南口)

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水戸駅の連絡通路

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水戸駅前(北口)

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水戸駅の駅前広場

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水戸線の小山行に乗車

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小山駅水戸線の終点

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夜の小山駅

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小山駅

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小山駅の改札口

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両毛線のホームへ

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両毛線の高崎行に乗車

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高崎に到着