「青春18きっぷ2010」(44)
第7日目(新潟・東京・その2)
磐越西線で新潟側の最後の駅、豊実を過ぎ、福島県に入っていく。阿賀野川から阿賀川と名前を変えた川沿いを行く。対岸には国道459号が通っている。
福島県側の最初の駅は徳沢だ。
西会津町の中心、野沢駅を過ぎると雪はやんだ。阿賀川と只見川の合流地点に近い山都駅を過ぎると、薄日が差してきた。雨→雪→曇→晴とめまぐるしく天気が変る。山都の次が「喜多方ラーメン」で有名な喜多方。8時24分の到着。駅前には昭和電工の大きな工場がある。ここでは列車すれ違いのため、6分間の停車。
喜多方を過ぎると、列車は快速になり、広々とした会津盆地を行く。磐梯山が見える。飯豊連峰の山々も見える。途中、塩川駅に停車し、8時47分、終点の会津若松駅に到着。新津駅から2時間42分だ。
会津若松では30分ほどあるので、改札口を出て、駅前を歩いた。
残念ながら、今回は町歩きできるほどの時間はなかったが、会津若松はぷらぷら歩きするのにはちょうどいい町の規模。積み重なった歴史の古さをいたるところで感じさせてくれる。何代もつづいた造り酒屋や漆器店、民芸品店、駄菓子屋といった老舗が、ごくあたりまえの顔をして軒を並べている。
思わず中をのぞき込んでみたくなるような、古びた暖簾のかかった店。どっしりとした白壁の土蔵の店。会津若松には土蔵が多く残っている。一歩、裏道に入ると、今でも途切れることなくつづいている手仕事をあちこちで見る。藍染めの会津木綿、絵ろうそく、あけび細工、赤べこ…と。
「いいものはいい!」
といって、時代の流れに棹さしている会津人の一徹さを見る思いがする。
会津若松のシンボル、鶴ヶ城の天守閣に登ると、360度の展望が開ける。そこからの眺めは、(町中を歩いているときはあまり気づかないことだが)会津若松が盆地の町であることをはっきりと教えてくれる。
町並みをぐるりと遠巻きにするかのように、山並みが途切れることなくつづいている。磐梯山が雲の上にツンと、尖った頂上を突き出している。飯豊連峰の山々がどっしりとした姿で連なっている。奥会津の山々は幾重にも重なり合って越後へ、奥日光へ延びている。阿賀川が日本海に向かって流れ出ていくあたりだけが、山々は落ち込み、低くなっている。
2008年8月には、会津若松駅を出発点にして町歩きをしたので、そのときの写真を見てもらおう。繰り返しになるが、会津若松は町歩きには絶好だ。
野沢駅を過ぎると雪はやんだ
山都駅を過ぎると薄日が差してくる
会津若松に到着
◇◇◇
(※以下6点の写真は2008年8月の撮影)
会津若松の絵ろうそく
赤ベコなどの民芸品
鶴ヶ城からの眺め
(※以上)