「青春18きっぷ2010」(43)
第6日目(新潟→東京・その1)
「青春18きっぷ2010」の旅もいよいよ最終日。新潟駅前の「東横イン」を4時30分に出発。雨が降っている。
新潟駅の改札口で青春18きっぷの第5日目の欄に日付印のスタンプを押してもらい、3番線へ。
信越本線の一番列車、5時17分発の長岡行に乗車。2両編成の電車。ボックスシートなのでゆったり気分で座れる。
車内で朝食。「東横イン」のフロントでもらった朝日新聞(無料)を読みながら、コンビニのおにぎりを食べる。
おにぎりを食べ、朝刊を読み終わる頃には発車時間だ。こうして一番列車に乗るのは、鈍行乗り継ぎ旅の基本といえる。
長岡行は新潟駅を発車すると、越後石山、亀田、荻川、さつき野と停車し、5時36分、新津駅に到着。新津も雨。ここで磐越西線に乗り換える。
昨夜、この新津駅に降り立ったとき、
と突如、思い立った。その結果、新潟に到着し、「東横イン」の部屋に入るなり、夢中になって新たなプランニングをしたのだが、「う~ん、旅はドラマだ!」とあらためて思ってしまうのだ。
もし磐越西線に乗ろうと思わなければ、今ごろは長岡から直江津に向かっていた。
新津発6時05分発の磐越西線会津若松行に乗車。2両編成のディーゼルカー。列車は定刻通りに出発。うっすらと夜が明けると、列車はすでに新潟平野から阿賀野川沿いの谷間に入っていた。天気は変り、チラチラ雪が降っていた。
三川駅を過ぎたところで検札。鈍行乗り継ぎ旅の6日目にして初めて経験する検札だ。
7時08分、津川着。津川を過ぎると、雪は一段と激しさを増す。
新潟県最後の駅、豊実を過ぎると、列車は阿賀野川沿いに走り、新潟県から福島県に入っていく。それとともに、阿賀野川は阿賀川と名前を変える。
この県境あたりの地形はきわめて興味深いのだが、阿賀川が力まかせに越後山脈をブチ破っているという感じなのだ。
阿賀川はすごい川。どのようにすごいかというと、福島県の西半分を占める会津のすべての水はこの阿賀川となって、新潟平野に流れ出ていく(猪苗代湖の水が安積疎水となって郡山盆地に流れていくように、一部例外はあるが)。会津はその全域が阿賀川の水系なのである。
会津は「峠の国」とよくいわれるが、どこへ行くのにも峠を越えていく。唯一、峠を越えないルートがこの地点。さらに、会津のみなさんへの失礼千万を省みないでいえば、この地点に高さ200メートルほどのダムをつくれば、会津の大半は巨大湖の湖底に沈んでしまう。
会津はこのように、よその世界とは隔てられた独立した小国家のようなところなので、長い年月にわたって独自の歴史と文化を育んできた。
東京だと「3代つづけば江戸っ子だい!」などといっているが、会津若松では3代ぐらいだと、まだ旅の者、よそ者で、5代つづいてはじめて会津人という話も聞いた。
そんな会津に入ったのだ。
新潟駅の改札口
新潟駅の3番線ホーム
信越本線の長岡行に乗車
最終日の青春18きっぷ
朝食のおにぎりを食べる
新津駅に到着
新津駅を走り去っていく長岡行
夜が明けると雪が降っている
津川を過ぎると雪は激しさを増す