賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「青春18きっぷ2010」(35)

第5日目(函館→新潟・その2)

 夜明け前の青森駅周辺を歩き、青森駅へ。青森の地方紙、「東奥日報」を買い、改札口を通過。跨線橋を渡り、奥羽本線弘前行が停車している6番線へ。

 ちょうどそのとき、ブルートレインが到着した。22時00分に札幌を発車した急行「はまなす」。急行「はまなす」は7両編成。そのうち2両が寝台だ。しばらくは列車から降りる人たちを眺めていた。

 6時09分発の弘前行に乗車。5両編成のロングシートの電車。発車時間まで「東奥日報」を読み、しばし青森に浸った。

 定刻通り、弘前行は青森駅を発車。次が新青森駅東北新幹線の終着駅。4、5年後には、北海道新幹線の函館行が出るようになる。その日が待ち遠しい!

 新青森を出ると、津軽新城(つがるしんじょう)、鶴ヶ坂を通り、大釈迦峠を貫く新大釈迦トンネルを抜け、大釈迦駅に到着。列車は夜明けの津軽平野に入っていく。

 残念ながら雨模様の天気で、「津軽富士」の岩木山はまったく見えなかった。

 6時42分、川部駅に到着。ここで五能線に乗り換える。

 川部発6時51分の鯵ヶ沢行の列車。3両編成のディーゼルカーはリンゴ園の中を行く。板柳、陸奥鶴田と通り、ほぼ満員の乗客を乗せて7時20分、五所川原に到着。大半の乗客はここで降りた。後の2両が切り離され、先頭車両のみが鯵ヶ沢まで行く。

 五所川原では40分以上の待ち時間があるので、改札口を出て駅周辺を歩く。ここからはストーブ列車の津軽鉄道に乗りたいところだが…。

 五所川原駅に降り立つと、ねぶた祭りがなつかしく思い出される。

 ねぶた祭りというと青森、弘前ねぷた)が有名だが、青森、弘前のみならず五所川原や大湊など青森県内の各地でおこなわれる。

 五所川原のねぶたは「立ネ武多(たちねぶた)」といわれるように、高さ20メートル以上の豪華絢爛の山車が市内をまわる。毎年8月4日から8月8日までおこなわれるが、その間、五所川原市内は祭り一色。

「ヤッテマレ」の掛け声が町中に響き渡る。

青森では「ラッセラー」、弘前では「ヤーヤードー」だが、ここでは「ヤッテマレ」。 まるでこの一瞬に賭けるかのように、「ヤッテマレ」と声を張り上げ、悲しくも短い東北の夏を爆発させる。

 ところで能登半島では輪島に近い「ねぶた温泉」に入ったことがある。この温泉に入った時、すぐに青森のねぶた祭りを連想したが、奥能登の「ねぶた温泉」は青森とはまったく関係ないとのことで、地名の「寝豚」に由来するという。そんな「ねぶた温泉」に入ったシーンも五所川原で思い出すのだった。

 8時04分、鯵ヶ沢行は1両編成になって五所川原駅を出発。列車はほぼ満員。大半は高校生で、次の木造駅でほとんど全員が降りた。

 列車は岩木山麓の中田、陸奥森田、越水と通り、鳴沢を過ぎると日本海が見えてくる。「おー、日本海だ!」

 ここからはひたすら、日本海に沿って南下していく。

 1両編成の列車は鯵ヶ沢の市街地に入り、8時34分、終点の鯵ヶ沢駅に到着した。

18kippu2010-35-4737

青森駅跨線橋

18kippu2010-35-4738

札幌発の急行「はまなす」が到着

18kippu2010-35-4743

奥羽本線弘前行に乗車

18kippu2010-35-4744

ロングシートの電車

18kippu2010-35-4734

青森の地方紙「東奥日報」を読む

18kippu2010-35-4745

川部駅に到着

18kippu2010-35-4746

五能線に乗り換える

18kippu2010-35-4748

五能線鯵ヶ沢行列車

18kippu2010-35-4749

五所川原駅

18kippu2010-35-4752

越水駅

18kippu2010-35-4753

鳴沢駅

18kippu2010-35-4754

日本海が見えてくる

18kippu2010-35-4755

鯵ヶ沢の市街地に入っていく