「青春18きっぷ2010」(26)
第3日目(函館→旭川・その11)
滝川駅に戻ると、21時39分発の旭川行に乗車。3両編成の電車で車内はすいている。
滝川は交通の要衝の地。滝川駅では、帯広から釧路、根室へと通じている根室本線が分岐する。国道でいえば北海道一の幹線、「札幌-旭川」間の国道12号と、富良野から狩勝峠を越えて帯広、釧路へと通じている国道38号がこの町で分岐している。
列車が滝川駅を発車するのと同時に、カブタンとの車内宴会・第2弾目を開始。
「乾杯!」
カンビールを片手に車窓を流れていく雪景色を眺める。
滝川を出ると、次は江部乙。なつかしの江部乙だ。
江部乙駅前には温泉銭湯を兼ねた1軒宿の江部乙温泉があるが、そこには何度か泊ったことがある。その時のシーンが次々と頭をよぎっていく。
留萌本線との分岐駅の深川を過ぎ、次の納内駅を過ぎると、暗い車窓には突如、山々が迫ってくる。ここは神居コタン。石狩川の川岸には奇岩・巨岩が連なっているはずなのだが、川の流れも奇岩・巨岩も見えない(気がつかない?)まま、列車は長いトンネルに入っていく。
旭川到着は22時32分。
滝川から1時間近くも乗っていたのだが、カブタンとの車内宴会のおかげであっというまに着いたという感じだ。
これにて「函館→旭川」の函館本線完乗達成。423・1キロという長い旅路の果ての旭川到着だ。
旭川駅はすっかり新しくなっていた。ホームを覆う屋根は森林をイメージした鉄柱で支えられている。駅構内はふんだんに北海道産タモの木が使われている。そんな旭川駅の改札口を出、駅前に出ると、サプライズが待っていた。
何とカブタンと同じようにかわゆい「かおりん」と大手自動車会社旭川支店長のS氏が我々を待ち構えてくれていた。
いやー、びっくり。ほんとうにびっくりした。
ついさきほど江部乙ではなつかしさにひたったが、そこがS氏との出会いの地になる。
S氏は自動車を売っているのにもかかわらず、バイクが大好きで北海道各地を駆けるめぐっている。
2006年~2007年の「300日3000湯」では江部乙温泉でひと晩、泊まったが、翌朝は土砂降りの雨。そんな雨に濡れながら、1台のバイクが宿の前に停まっていた。それがS氏だった。
S氏は「カソリさんが江部乙温泉に泊まっているらしい」という情報をキャッチすると、会社を休み(ではなく、休みを利用して)、豪雨をついて真夜中に名寄を出発し、江部乙まで来てくれた。その日はS氏と一緒になって温泉めぐりをしたのだ。
それよりももっと驚かされたのは然別峡での出会いだ。
この渓谷には何湯もの原始湯といっていい天然の温泉が湧き出ている。ここへの道を知っている人はほとんどいないと思われるが、そんな露天風呂のひとつ、ペニチカの湯に入っていると、クマザサがガサガサと揺れた。
「あー、熊だ、熊が出た!」
と青くなった。
するとクマザサをかきわけて現われたのは熊ではなく、S氏だった。
2009年の「日本一周」では、宗谷岬で猛烈な吹雪に見舞われた。民宿「宗谷岬」に泊まり、
「さー、吹雪なんかに負けるもんか!」
と気合を入れて、出発の準備をしているときに、S氏が来てくれた。
信じられない、この大雪の中を!
宗谷岬からS氏と一緒に雪道を走った。ツルンツルンのアイスバーンも走った。日本海を南下し、天塩から羽幌まで行ったところで日が暮れた。ぼくは羽幌でひと晩、停まったが、S氏はさらに恐怖の雪と氷の夜道を走り、峠を越えて名寄まで走ったのだ。
そんなS氏と旭川駅前で再会した。
カブタンが「カソリさんが来るわよ」と、滝川の駅から電話してくれたらしい。
すぐさま旭川での宴会が始まった。
いやいやもう大変なことになった。話は次から次へと展開し、カブタンとかおりんとS氏との「旭川宴会」は大盛り上がり状態になる。
「旭川宴会」の締めは「旭川ラーメン」。元祖旭川ラーメンの店(かおりんがそういっていた)、「一蔵」で「旭川ラーメン」を食べた。
真夜中の旭川駅前でカブタン、かおりん、S氏と別れたときは、胸にポッカリと穴があいたような寂しさを味わった。もう、北海道人って、最高!
それにしても飲みすぎた…。
フラフラしながら雪道を歩き、今晩の宿、旭川駅前の「東横イン」へ。到着したのは午前1時近かった。
滝川駅に戻ってきた
雪の滝川駅
旭川行に乗車
カブタンとの車内宴会、開始!
旭川に到着
新しくなった旭川駅
ふんだんに木を使った駅舎内
旭川市民10000人の名前が刻まれている
旭川駅の改札口
旭川駅前
旭川での宴会、開始!
最後は旭川ラーメン
これはカブタンからの差し入れ
管理人:
いやぁ、18きっぷで朝から出撃してこれだけ飲むなんて、常人じゃない!!(知ってるけど)
団塊の世代はオソロシイなぁ~!