賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「青春18きっぷ2010」(25)

第3日目(函館→旭川・その10)

 札幌駅に戻ると、東改札口を通り抜けたところでカブタンと落ち合った。

 小樽駅で別れたばかりなのに、

「やー、カブタ~ン、久しぶり~!」

 とカソリ。

 カブタンも、

「カソリさん、お久しぶり~!」

 とそれに合わせてくれる。

 カブタンはいつもは旭川まで特急の「スーパーカムイ」に乗って帰る。

 1時間に1本は出ている「スーパーカムイ」だと、旭川まで1時間20分。

 それを今回は、

「カソリさんに付き合ってあげるわ」

 ということで、鈍行で帰ることにした。旭川まで特急の倍以上の3時間近くもかかってしまうが、それでもかまわないという。

「これってチャレンジ!」

 といって喜んでくれる。

 好奇心旺盛なカブタンは、チャレンジ精神も旺盛なのだ。

 我々は19時38分発の滝川行に乗車。6両編成の電車の最後尾の車両に乗った。

 19時台の札幌始発の電車なのだが、6両目はガラガラ。このあたりが小東京の札幌と東京との大きな違い。東京で19時台の電車だと、どの方面に乗っても、通勤帰りで超満員。何ともうらやましい限りだ。

 我々はガラガラの車両なので遠慮なく車内宴会を開始した。

 まずはカブタンが用意してくれた「サッポロ・クラシック」の富良野VINTAGEで「乾杯!」。2010年度産の生ホップを使っているという北海道限定バージョンのビールだ。これまたカブタンが用意してくれたタコボールとパセリーノをつまみにする。これがビールにひときわ合うんだな。

「サッポロ・クラシック」を飲み尽くすと、今度はぼくがサッポロのコンビニでゲットしたカンビールを飲み干していく。

 列車は江別を通り、20時19分、岩見沢に到着。ここでは危なかった。

 というのは岩見沢駅で後の3両が切り離された。

 それに気がつくのがもう少し遅れたら、岩見沢に取り残されてしまうところだった。

 大急ぎで前の3両に移り、座席に座るなり、車内宴会の続編を開始。

 東北本線の「福島→仙台」間で一緒になった3人組の「車内宴会」を思いだしたが、カブタンとの車内宴会はほんとうに楽しいものになった。

 おおいに飲み、おおいに語り、ときどき酔いをさますように暗い車窓に目を向けた。

 21時10分、終点の滝川に到着。札幌で持ち込んだカンビールはきれいさっぱりとすべて飲み切った。いやはや我々2人のパワーはすごいものだと我ながら感心する。

 滝川駅のホームに降り立ったとき、「タキガワに着いたね!」といったら、カブタンにはすかさず「タキカワよ」といわれた。

 旭川行の発車は21時39分。それまで30分近くあるので改札口を出、雪の積もった滝川駅前を歩く。顔がヒリヒリ痛むくらいに風が冷たい。

 カブタンは真冬の旭川の寒さを知っているので、

「(それに比べたら)暖かいくらいよ」

 という。

 我々は新たなカンビールを仕入れ、滝川駅に戻るのだった。

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札幌駅の東改札口

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滝川行が入線

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6両編成の滝川行に乗車

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車内宴会の開始!

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タコボールとパセリーノ

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滝川駅に到着

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次の旭川行まで30分ある

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滝川駅

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雪の滝川を歩く