賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「青春18きっぷ2010」(7)

第2日目(東京→函館・その2)

 宇都宮線の終点、宇都宮駅で6時56分発の東北本線・黒磯行に乗り換える。列車は5両編成。15両編成から5両編成へと一気に短くなる。これが東京圏を離れていく証明のようなものだ。

 宇都宮の市街地を抜け出、岡本駅を過ぎ、烏山線の分岐する宝積寺駅に近づいたところで朝日が昇った。

 車窓から見る朝日にはしびれてしまう。ちょうどバイクを走らせ、まさに昇ろうかという朝日に向かって走っているときのようなもので、車窓の朝日はいつまでも心に残る。

 東北新幹線に接続する那須塩原駅を過ぎると終点の黒磯。ここでは郡山行に乗り換える。7時54分発の郡山行電車は2両編成。列車は15両→5両→2両とどんどん短くなってくる。

 黒磯を出発すると高久、黒田原と通り、豊原を過ぎると黒川を渡る。那珂川支流のこの川が関東と東北を分けている。

 いよいよ東北に入っていく。鈍行列車みちのく旅が始まる。

「いやー、演歌の世界だな」

 と、一人感動するカソリ。

 みちのくの最初の駅は白坂。奥州街道の白坂宿がある。白坂の次が白河。駅前には小峰城跡が見える。会津の上杉が徳川侵攻の押さえに築いた大城だ。その向こうには那須連峰の山々がよく見えている。

 白河駅を出ると、すぐに東北の大河、阿武隈川を渡る。

 最初に出会う阿武隈川の写真を撮りたくて身構えていたのだが…。残念、タイミングが少しズレ、写真には自分の指が映り、鉄柱も入ってしまった。こうして悪戦苦闘しながらも、車窓の風景を撮りつづける。これがまた、おもしろいんだな。じつにおもしろい。

 鏡石駅には、今でも多くの人たちに歌われている「牧場の朝」の歌碑。「ただ一面に立ちこめた…」の作詞家か作曲家がこの町の出身なのだろう。電車はちょうどその前で停車したので、今度はきれいに撮れた。

 須賀川では大勢の人たちが乗り、2両編成の電車は満員状態で9時01分、郡山に到着した。

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宇都宮駅東北本線・黒磯行に乗り換える

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車窓から見る朝日

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東北本線・宝積寺駅

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東北本線片岡駅

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黒磯に到着

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郡山行の2両編成の電車に乗り換える

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先頭車両の運転席

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関東と東北の境を流れる黒川

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白河の町並み

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白河駅前の小峰城

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東北の大河、阿武隈川を渡る

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みちのくの冬の水田風景

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鏡石駅の「牧場の朝」

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郡山に到着