賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(82)興居島(愛媛)

(『ジパングツーリング』2002年6月号 所収)

 今治から海沿いの国道196号で松山に向かう。その途中、北条でひと晩泊まった。

 翌日、松山に到着。

「高松→松山」間は160キロ。国道11号を一気に走れば、4、5時間の距離でしかない。それを島々をめぐりながら松山までやってきたので5日、かかった。

 島めぐりは時間がかかるのだ。

 松山観光港に寄り、そこから1キロほど南の高浜港へ。

 伊予鉄道の終点、高浜駅前の高浜港桟橋から興居島へのフェリーが出ている。

 泊港行きの興居島汽船、由良港行きの小富士汽船の両フェリーを合わせて1日30便が出ているが、そのうち興居島汽船の「えひめ2」で泊港に渡った。

 南北に細長い興居島を時計回りで一周。島の中ほどはくびれていて、地図で見ると、ポキッと折れそうなほど幅狭い。

 透き通った青空のもと、気持ちよくSMX50を走らせる。興居島は「興居島ミカン」の産地。山の斜面は一面のミカン畑になっている。

 目の前にはきれいな形をした伊予小富士(282m)が見えてくる。島南端の伊予小富士は海上からでも目立つ山で、興居島のランドマークになっている。

 松山側の東海岸から西海岸に出ると、目の前には釣島が浮かんでいる。西海岸を北上すると、忽那諸島のニ神島や中島がよく見えるようになる。二神島と中島の間には怒和島が見える。

 島北端の馬磯漁港まで来ると、忽那諸島の中島や睦月島、野忽那島が目の前だ。東側に頭崎、西側に琴引鼻の2つの岬があるが、どちらが島の最北端なのか、見極めが難しかった。

 馬磯漁港から東海岸を南下し、泊港に戻った。

「興居島一周」は26キロだった。