賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(76)本島(香川)

(『ジパングツーリング』2002年5月号 所収)

 直島発14時20分のフェリーで高松港へ。60分の船旅だ。

「宇野→直島→高松」の瀬戸内海横断はよかった。なにか、久しぶりに高松に戻ったような気分になる。

 高松からは海沿いの県道16号を西へ。今度は四国本土側から直島を見た。

 坂出の「瀬戸大橋記念公園」に立ち寄り、そこから瀬戸大橋とこれからまわる塩飽諸島の島々を見る。すばらしい瀬戸内海の夕焼け。

 丸亀まで行くと、讃岐うどんを食べ、丸亀港発18時の本島汽船のフェリー「まるがめ」で塩飽諸島の主島、本島に渡った。

 本島港到着は18時35分。遅い時間の到着だったこともあって、港から島内の何軒かの民宿に電話したが、残念ながら“島民宿”には泊まれなかった。

 それではと、夜道を走り、本島を一周する。そのあとで本島港近くの海岸で野宿した。

 夜が明ける。対岸の四国本土の山の端に日が昇る。朝日を浴びた瀬戸大橋。目の前に浮かぶ島は牛島だ。

 時計回りで本島を一周。島の西側に来ると、塩飽諸島28島の中では最大の広島を間近に見る。

 生ノ浜の集落には珍しい2連式の倉。「夫婦倉」と呼ばれ、丸亀市の文化財になっている。

 島の東側に来ると、目の前に向島を見る。その向こうには瀬戸大橋。大橋脚のある与島と岩黒島の間に大槌島が見える。

 三角形をした目立つ姿の大槌島は、「瀬戸内海アイランドウオッチング」のすごくいい目印になっている。

 こうして、21キロの「本島一周」を走り終え、本島港に戻ってきた。