賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(75)直島(香川)

(『ジパングツーリング』2002年5月号 所収)

 豊島の家浦港9時30分発の小豆島フェリー「せとしお」で本州側の宇野港へ。

 フェリーは豊島と井島の間を通り、直島の精練所のすぐ近くを通り、備讃諸島の島々の間を縫って進む。

 宇野港までの40分は、まさに“アイランドウオッチング”しながらの船旅だ。

 備讃諸島とはいっても、大半の島は讃岐(香川県)側になる。

 宇野港のフェリーターミナルで幕の内弁当(400円)を食べ、それを遅い朝食とし、11時発の四国汽船のフェリー「なおしま」で、さきほど船上で見た直島に渡る。

 直島の宮ノ浦港までは20分の船旅でしかないが、それはまさに、

「おー、瀬戸内海!」

 と、強く感じさせるものだ。

 島と島の間に島が見える。島と島の間からフェリーが次から次へとやってくる。この狭い海は宇野と高松を結ぶ航路で、日本有数の“フェリー銀座”。

 宮ノ浦港に上陸すると、港前の食堂で「たこめし」(400円)を食べた。タコの炊き込み飯。天日で干した直島自慢のタコがうまい。

 まずは直島を横断し、本村へ。島横断といってもわずかに2キロでしかない。本村の港の対岸は向島。そこから直島の南端へ。右手に豊島、左手に井島が見える。

 直島南端まで来ると、目の前に柏島、左手には小豆島が見える。

 直島の西岸に出ると、対岸には四国の山々が青く連なり、高松の町並みが遠望できる。宮ノ浦港に戻ると、今度は北へ。そこには日本でも最大級の精練所、「三菱マテリアル」の世界。風景が変わった。