カソリの島旅(73)小豆島・本島(その2)
(『ジパングツーリング』2002年5月号 所収)
全行程43キロの「三都半島周遊」を終え、土庄港に戻ると、今度は「小豆島・本島一周」に出発だ。
土庄港から国道436号を行く。反時計回りでの一周。道の駅「小豆島オリーブ公園」と「小豆島民俗資料館」の前を通り、内海町の中心街まで来たところで、国道を離れ田ノ浦半島に入っていく。
関東系のキッコーマン、ヤマサ、ヒゲタ、関西系のヒガシマルと並ぶ日本の“五大醤油”のひとつ、マルキンの醤油工場前を通る。ここには「マルキン醤油記念館」もある。小豆島は昔から醤油づくりの盛んな島だった。
醤油とは切っても切り離せない佃煮造りの工場も目につく。
対岸の三都半島を見ながら走り、田ノ浦半島南端の田ノ浦へ。ここは小豆島生まれの作家、壺井栄の名作「二十四の瞳」の舞台。今でも「岬の分教場」がそのままの姿で残されている。
その先には「二十四の瞳映画村」(630円)。「二十四の瞳」が再映画化されたときのオープンセットをそのまま残したもの。田中裕子主演の「二十四の瞳」が1日4回、上映されている。古き良き時代の日本を感じさせてくれるところだ。
「二十四の瞳映画村」を歩きまわったあと、それに隣合った「麺めん亭嶋蔵」で、手延べそうめんの「にゅうめん」(600円)を食べた。小豆島は奈良の三輪や兵庫の竜野、徳島の半田などと並ぶ日本でも屈指のそうめんの産地になっている。
田ノ浦半島を離れ、小豆島の南東端、白い灯台の立つ大角鼻から東海岸を北上する。
右手に四国本土、左手に淡路島を見ながら走る。鳴門海峡にかかる大鳴門橋もかすかに見える。
橘峠で国道436号に合流し、福田港へ。国道436号は国道フェリーで姫路へとつづく。
福田港の売店で「あなご弁当」(800円)を食べた。さすが瀬戸内海産のあなごだけあってうまかった。
福田港からは県道26号を行く。
四国最北端の藤崎まで来ると、家島諸島の島々がよく見える。
吉田ダム近くの吉田温泉「ふれあいの湯」(300円)に入り、日生へのフェリーの出る大部港を通り、土庄港に戻った。
118キロの「小豆島・本島一周」だった。