賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(70)徳島→高松

(『ジパングツーリング』2002年5月号 所収)

 朋ちゃんと味醂さんに見送られて、徳島港を出発。徳島の中心街に入り、JR徳島駅前に立つ。そこでSMXと記念撮影をし、ほんとうの出発だ。

 国道11号で吉野川の河口を渡り、国道28号に入っていく。

 国道28号といえば明石を起点とする淡路島縦貫の幹線。「本州西部編」のときに走った国道だ。旅の途中で出会った友人に再会したようななつかしさを感じる。

 鳴門の中心街を走り抜け、JR鳴門線の終着、鳴門駅前を通り、小鳴門橋を渡って大毛島に渡る。

 この島の突端が鳴門公園。うず潮の鳴門海峡にかかる大鳴門橋を見る。対岸は淡路島の鳴門岬だ。

 売店「うづ乃家」2階の食堂で名産、鳴門ワカメがゴソッと入った「わかめうどん」を食べる。そして孫崎に立った。

 そこには白い灯台。目の前には淡路島が横たわり、左手には小豆島が青く霞んで見えている。

 大毛島からは堀越海峡にかかる堀越橋で島田島に渡る。橋の上から見下ろす海峡の流れは、ここが瀬戸内海随一ではないかと思えるほどの速さ。まるで山間部の渓流を見ているかのようだ。

「上から読んでも島田島、下から読んでも島田島」

 そんなダジャレをいいながら島田島を走り抜ける。

 もうひとつの海峡、小鳴門海峡にかかる小鳴門新橋を渡って国道11号に合流。

 徳島県から香川県に入る。引田、白鳥、津田と通り、四国本土最北端の竹居岬に立ち寄り、夜の高松の町に入っていった。