賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(64)見島(山口)

(『ジパングツーリング』2002年4月号 所収)

 萩港から15時45分発の萩汽船の高速船「おにようず」(258トン)に乗って見島へ。バイクはコンテナに入れて運ばれる。

 見島までは70分の船旅。左手の相島、右手の大島の間を通っていく。萩港からはこれら3島に船が出ている。

 相島、大島は本土に近いが、見島は絶海の孤島。まさに日本海の秘島だ。

 見島では本村港に寄って宇津港が終点になる。

 宇津港近くの「北国屋旅館」に泊まったが、日が暮れても暖かい。

 見島は萩よりも気温が高い。10月も下旬になったが、半そでのTシャツ1枚で十分だ。暖流の対馬海流の影響で、冬でも雪の降ることはないという。

 泊まった部屋には船名にもなっている大凧の鬼揚子(おにようず)が飾られていた。

 宿の夕食はよかった。タイ、カツオ、メイボ(カワハギ)の刺し身、アワビの刺し身、アジの焼き魚、それにサザエの壺焼き。海の幸三昧の夕食だ。

 翌朝は夜明けとともに出発。宿の奥さんはお弁当をつくってくれた。ありがたい。島人の心やさしさを感じた「北国屋旅館」だ。

 まずは見島を一周。宇津港から航空自衛隊の基地があるイクラゲ山に登り、そこから本村港に下り、宇津港に戻った。これで10キロほど。

 次ぎにバイクがやっとすれ違えるくらいの狭い道で北端の長尾ノ鼻まで行く。

 そこには北灯台。昇ったばかりの朝日を浴びて、白い灯台はほんのりと赤く染まっている。

 ここを最後に宇津港から本村港まで行き、萩港に戻った。