賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(62)角島(山口)

(『ジパングツーリング』2002年4月号 所収)

 彦島から下関に戻ると、下関駅前に立った。ここが国道9号の終点であるのと同時に、国道191号の起点になる。

「本州西部編」もいよいよ、最後の行程。下関から日本海経由のルートで東京に向かうのだ。

 50㏄バイクのスズキSMX50に、

「さー、SMXよ行くゾ!」

 と、ひと声掛け、国道191号を走り出す。

 この国道191号は山口県内の日本海の海沿いを走るルートだ。

 途中、蓋井島への船が出る吉見港に立ち寄り、本州最西端の毘沙ノ鼻に立った。岬の突端からは蓋井島がよく見えた。これで最北端の大間崎、最南端の潮岬、最東端のとどヶ崎と合わせ、本州の最東西南北端に立ったことになる。

 国道191号のゆるやかな峠、梅ヶ峠(うめがとお)を越えて下関市から豊浦町に入る。その北隣の豊北町の特牛(こっとい)から完成してまもない角島大橋で、角島に渡った。

「えー、これが無料!?」

 と、思わず声が出そうになるほどの角島大橋だ。

 何か、すごく得した気分。海士ヶ瀬戸をまたぐ角島大橋を走っていると、海の上をバイクで飛んでいるような気分になる。角島はひらべったい島。あっというまに島の突端に着いてしまうが、そこには角島灯台がある。