賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(59)長島(山口)

(『ジパングツーリング』2002年3月号 所収)

 平郡島から戻ると、柳井港の待合室で朝食。売店でハンバーグ弁当(500円)を買って食べた。さー、出発だ。

「雨になんか負けるもんか!」

 と叫んでカソリ、走り出す。

 さきほど平郡島船からのフェリー見た室津半島に入っていく。

 中世のころは海外貿易の拠点として、近世には瀬戸内海の風待港として栄えた室津まで来ると、狭い上関海峡の対岸に、長島の上関の町並みを見る。

 海峡をまたぐ上関大橋で長島に渡り、上関の町に入っていく。

 ここは下関、中関(防府市)に対しての上関。港に停泊中の八島行きの船を見る。無性に八島まで行きたくなったが、その気持ちをぐっと押さえ込む。八島まで行くと時間がかかり過ぎるのだ。残念…。

 こうして諦めた島が、いったい何島あったことか。

 上関からは長島西端の四代へ。その途中からは八島がよく見えたが、

「いつの日か、きっと行くぞ!

 と、SMX50に乗りながら叫んでやった。

 上関から四代までは14キロだった。