賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

四国八十八ヵ所めぐり(140)番外編(広州→上海・その2)

 福建省省都、福州からは、うれしいことに、空海の中国上陸地点である霞浦の町まで行けた。霞浦郊外の赤岸には「空海大師記念堂」が建っている。「空海大師記念堂」には空海像がまつられている。この赤岸が空海の上陸地点なのだ。

 いまでは海岸線ははるかに遠くなっているが、それは1200年の間に埋め立てられたからだという。

 それにしても空海は強運な人間。804年の第16次遣唐使船に乗ったのだが、4隻のうち2隻は嵐で沈没。空海の乗った船は沈没をまのがれ、この地に漂着した。

 空海は上陸の許可が下りるまでの40日間、霞浦に滞在した。なお、そのときの4隻のうち1隻だけは予定通り、寧波港に到着。その船には最澄が乗っていた。最澄は寧波に近い天台山で修行を積み、日本に帰国後、天台宗を開いた。

 赤岸の「空海大師記念堂」でぼくが思ったことは、この地でもって、「四国八十八ヵ所めぐり」と「広州→上海2200キロ」がつながったということだった。

 空海は上陸許可が下りると、海路で福州まで行き、そこから陸路で上海にも近い揚州まで行った。揚州からは大運河などの川船で洛陽まで行き、唐の都の長安(現在の西安)に入ったのだ。

 アドレスを走らせての「広州→上海2200キロ」では福州から温州、天台、紹興杭州と通り、上海に到着したが、このルートというのも空海が揚州まで行ったときのルートとほぼ同じものである。

 次の機会にはぜひとも上海から揚州へ、そして空海の足跡を追って洛陽から長安西安)へと行ってみたいと願っている。

 ということで、「四国八十八ヵ所めぐり」と「広州→上海2200キロ」で、ずいぶんと楽しませてくれた空海弘法大師)さん、ほんとうにありがとう!(了)

shikoku2009-140-3313

福州の町並み

shikoku2009-140-3325

連江の屋台で夕食

shikoku2009-140-3337

連江の町並み

shikoku2009-140-3362

高速鉄道

shikoku2009-140-3364

雨の寧徳の町

shikoku2009-140-3404

寧徳の裏町

shikoku2009-140-3422

赤岸の「空海大師記念館」

shikoku2009-140-3424

空海大師記念館」の空海

shikoku2009-140-3454

霞浦の町並み

shikoku2009-140-3458

天秤棒で鶏籠を運ぶ人

shikoku2009-140-3467

福建省とセッ江省の省境

shikoku2009-140-3469

セッ江省に入っていく

shikoku2009-140-3486

楽清の町

shikoku2009-140-3543

桐郷の町

shikoku2009-140-3577

桐郷のホテルを出発。目指せ、上海!

shikoku2009-140-3604

上海に到着!

shikoku2009-140-3629

上海の虹橋の交差点

shikoku2009-140-3645

さらば、上海よ!