賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(51)大崎上島(広島)

(『ジパングツーリング』2002年3月号 所収)

 大久野島から忠海港に戻ると、再度、国道185号を走りだす。2キロほど行ったPAの「エデンの海」からの眺めが最高!

 左端の高根島から右端の上蒲刈島までズラズラズラッと並んだ島々を見る。

「おー、瀬戸内海!!」

 と、思わずそんな言葉が口をついて出る。ここは瀬戸内海の「アイランドウオッチング」には最適のポイントだ。

 竹原港からは大崎フェリーの「第五さんよう」で大崎上島の垂水港に渡った。

 垂水港に到着すると、ちょうど夕日が目の前の生野島に沈むところだった。

 大崎上島はかなり大きな島で、東野町、大崎町、木江町の3町から成っている。

「大崎上島一周」の開始だ。

 東野町から大崎町の町役場前を通り、地元スーパーで食料を買いだし、島西部の大西港近くで野宿した。テントを張って、さっそく“楽しい我が家”での夕食だ。

 地アジのお造りを肴にカンビールを飲む。そのあとで2割引になった弁当を食べた。

 夕食後はしばらく満天の星空を眺めた。

 翌朝は夜明けとともに目覚め、すばやくテントを撤収し、6時出発。

 島一周の県道65号を西へ。西端の大串海岸で朝食。店で買ったおにぎり弁当を缶緑茶を飲みながら食べた。朝日を浴びた海を見ながら食べたので、じつにうまい朝食になった。そこからは大芝島などいくつかの島を見た。

 大串海岸をあとにし、長い恋地トンネル(606m)を抜け出て木江町に入る。

「トンネルを抜けると島だった」の世界で、今度は目の前に岡村島を見る。その右手には大崎下島が見える。

 岡村島へのフェリーの出る明石港を過ぎると海沿いの道になる。

 いくつもの島々を見ながら走り「大崎上島一周」を終えた。