賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

四国八十八ヵ所めぐり(126)

2009年5月2日(小豆島・その29)

 福田を出発。ちょうど福田港からは姫路行きのフェリーが出ていくところだった。

 小豆島一周の道も福田から土庄までは国道436号になる。国道沿いの第86番・当浜庵、第87番・海底庵と参拝し、ついに第88番・楠霊庵までやってきた。

 石段の下にスズキ・アドレスV125Gを停め、石段を登り、楠霊庵を参拝。「やったね!」という気分で、賽銭もここでは1000円札を入れた。楠霊庵の本尊は地蔵菩薩。心をこめてその真言の「オンカカカピサンマエイソワカ」を3度、唱えた。

「終った!」

 うれしいような寂しいような…。

 だが、まだ小豆島の旅はつづく。

 国道436号で橘峠へ。標高120メートルの峠だ。

 南風台のある橘の集落から登り、峠を越えると旧内海町の中心、草壁に下っていく。草壁側が急な勾配で、ヘアピンカーブが連続する。小豆島の峠の中では一番、峠らしい峠になっている。

 この橘峠の頂上で国道と分れ、大角鼻への道に入っていく。

 小半島の東海岸を南下。道幅が狭く、交通量はきわめて少ない。集落もない。ところどころでは断崖を見下ろすような道。長々と横たわる淡路島が見える。その半島の突端が大角鼻だ。白い灯台がある。大角鼻から半島の西海岸を行くと坂手湾が見渡せた。

 こうしてなつかしの坂手港に戻ってきた。ここから「小豆島八十八ヵ所めぐり」をはじめたのは前々日のことでしかないのに、何か1ヵ月も2ヵ月もたったかのような錯覚にとらわれた。

 坂手港からはもう一度、「岬の分教場」を見たくて田ノ浦半島に入っていく。

 半島の先端近くには田ノ浦漁港。その前に壺井栄(1900~1967年)の「二十四の瞳」の舞台となった「岬の分教場」が当時のままの姿で残されている。古き良き日本をしみじみと感じさせる「岬の分教場」。壺井栄は坂手で生まれた。

 つづいて「二十四の瞳映画村」も、もう一度、見ていく。田中裕子主演の映画「二十四の瞳」のロケに使ったオープンセットをそのまま残したもので、ここでは1日4回、映画を上映している。

 そんな田ノ浦半島の行き止り地点まで行き、坂手港に引き返した。

shikoku2009-126-3154

福田港から姫路行きのフェリーが出ていく

shikoku2009-126-3156

第86番・当浜庵

shikoku2009-126-3157

当浜庵の内部

shikoku2009-126-3158

第87番・海底庵

shikoku2009-126-3160

第88番・楠霊庵

shikoku2009-126-3161

楠霊庵の内部

shikoku2009-126-3162

大角鼻の灯台

shikoku2009-126-3163

大角鼻から見る風ノ子島

shikoku2009-126-3165

坂手湾を望む

shikoku2009-126-3166

坂手港に戻ってきた!

shikoku2009-126-2810

「岬の文教場」

shikoku2009-126-2812

二十四の瞳映画村