賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの中国旅40年(4)

 3度目の中国は1988年。長女が小学校6年生になったときのこと。子供たちの夏休みを利用し、7月26日、妻と長女、次女、長男の一家5人で大阪南港から上海行きの船「鑑真号」に乗り込んだ。

 上海到着は7月28日。中心街のホテル「上海大カ」に泊まり、女性ガイド宋さんの案内で玉仏寺、虹口公園、予園、上海博物館…とまわり、上海雑技団(サーカス)を見た。子供たちは皿まわしや猿の自転車、パンダの曲芸に大喜び。

 上海には4日間、滞在。その最後の日には黄浦江の遊覧船に乗り、長江(揚子江)の河口まで行った。長江の河口は海と変らない広さ、大きさだった。

 上海からは列車で北京へ。20両編成の寝台急行。16時に上海駅を出発すると蘇州、無錫、常州、鎮江と通過し、19時25分、南京着。南京を過ぎたところで渡った夕暮れの長江が目に残った。夜中の3時30分に山東省の済南に停車し、夜が明けると列車は華北の大平原を走っていた。7時20分、天津着。終点の北京駅到着は9時だった。

 北京では西長安街の「民族飯店」に泊まり、男性ガイドの羅さんの案内で天安門広場を歩き、人民大会堂故宮を見学。映画「ラストエンペラー」の舞台を見たといって子供たちは感動の様子。

 その翌日は待望の万里の長城。明の十三陵を見たあと八達嶺の万里の長城を歩く。さすが世界の観光地。人、人、人…。外国人観光客が多いが、それよりもはるかに中国人観光客の方が多かった。1時間ほど万里の長城を歩いたが、あまりの規模の大きさに圧倒されてしまう。子供たちは売店で買った人民帽をかぶって嬉々としている。

 北京滞在の最後の日は、北京動物園を見てまわる。お目当ては4頭のパンダ。パンダたちはスースーと気持ちよさそうに寝ていた。最後に大庭園の「イ和園」を歩き、8月4日、UA890便で成田に飛んだ。

 上海、北京の2都めぐりの中国旅だったが、妻と子供たちは全員が「北京よりも上海の方がおもしろかった」といっていた。子供たちにとっては上海雑技団が一番の人気のようだった。

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妻と子供たち、ガイドの宋さん(左端)。上海で