賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの中国旅40年(1)

「広州→上海」2200キロの中国ツーリングから帰ってきた。

 今回の中国旅はいろいろな意味で、すさまじいものだった。またそれを成しとげたことによって、自分が新たなステップを踏み、別な世界に昇っていったような気もする。

 12月2日、出発点の広州に到着。人口1500万の広州上空はひどい大気汚染。息をするのも苦しいほど。世界第2の工業生産地帯、珠江デルタの中心都市だけあって、町は車の洪水。いたるところで大渋滞が発生していた。

 そんな広州を出発。125ccスクーターのスズキ・アドレスV125Gを走らせ、上海を目指したが、驚いたことに国道324号沿いには途切れることなく市街地がつづく。ちなみに国道324号は福建省の福州から広東省の広州を経由し、雲南省昆明に至る全長2600キロの国道だ。

 福建省に入るとわずかに田園風景を見たが、すぐにアモイへとつづく市街地に入っていく。さらにそれが泉州から省都の福州へとつづく。広州から福州までは1220キロ。その間、市街地が途切れることはほとんどなかった。

 福州からは国道104号→国道320号で上海まで行くのだが、その間もほぼ同様で、なんと「広州→上海」2200キロ間がメガロポリスになっている。アメリ東海岸の「ボストン→ワシントン」、日本の太平洋岸の「東京→大阪」などを上回る世界最大のメガロポリスといっていい。

 人口1600万の上海に到着したのは12月11日。上海は世界一の工業生産地帯、長江デルタの中心都市。大気汚染もすさまじいもので、結局、「広州→上海」間では、一度として抜けるような青空を見ることはなかった。

 今回の「広州→上海」2200キロを走ったことによって、ぼくは今までのいくつかの中国旅が無性になつかしく思い出され、それがまたじつにうまく結びつき、さらに中国旅への夢がふくらんだ。

「よーし、次は中国一周だ!」

china40-1

広州から2252キロ走って上海に到着。万歳!