賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

秘湯めぐりの峠越え(51)天城峠編(その2・静岡)

 (下田→三島105キロ・取材日1996年4月14日)

大滝温泉の露天風呂

 下田からR414→R136で三島へと向かっていく。

 バイクはスズキDJEBEL250XC。このニューDJEBELにもすっかり慣れたが、ビッグタンク、大型のヘッドライト、中低速でに走りやすさ等々、ほんとうにツーリングしやすいバイクだ。

 下田を出発すると、すぐに、第1湯目の河内温泉。

 旧道沿いの「金谷旅館」の千人風呂に入る。ここはいい。木の湯船、木の洗い場。湯けむりがモウモウとたちこめている。温泉情緒も満点。そのまま露天風呂にも行ける。湯量の豊富な温泉だ。

 河内温泉から1キロほど行くと、第2湯目の蓮台寺温泉。ここでは、「三吉屋旅館」の湯に入った。

 婆娑羅峠を越えて西伊豆の松崎に通じる道と分かれ、ゆるやかな峠を越え、第3湯目の湯ヶ野温泉へ。ここでは前々回の「天城峠編」のときにも入った国民宿舎「かわづ荘」の露天風呂に再度、入った。

 つづいて第4湯目、天城峠下の大滝温泉「天城荘」の湯に入る。河津七滝最大の、豪快に流れ落ちる大滝を眺めながら露天風呂の湯につかる気分は最高だ。ここにはなんと、露天風呂だけでも15湯もある。混浴の洞窟風呂もすごい。「天城荘」を出発するときにはけっこう足腰にきて、ふらついてしまった。

旧道での天城峠越え

 R136の天城トンネルの料金所手前で右折し、天城峠旧道のダートに入っていく。

 杉林の中を走る。ハイカーの姿をけっこう見かける。走りやすいダートで、乗用車も通っている。やがて峠のトンネル。『伊豆の踊り子』にぴったりのたたずまいだ。

 天城峠を越え、南伊豆から中伊豆に入る。

 天城峠の旧道を下ったところが、本谷林道との分岐点。そのまま直進し、本谷林道に入っていったが、天城峠の旧道は5キロのダートになる。

 本谷林道もよく整備された林道で走りやすい。

 天城連峰の主峰群に向かって登っていく。八丁池に通じる支線や白砂林道との分岐点を過ぎ、稜線近くを走る。眺めがいい。

 やがて一気の下り。岩尾林道にぶつかり、さらに下って舗装路に出る。本谷林道、岩尾林道を合わせてダート11キロ。最後は、舗装が延びた松山林道で、ダート2キロ。天城峠旧道→本谷林道→岩尾林道→松山林道と走りつなぎ、18キロのダートだった。

 国士峠下の集落、長野に出、湯ヶ島温泉へ。

 中伊豆の温泉めぐりの開始だ。

 第5湯目の湯ヶ島温泉では、共同浴場「河鹿の湯」に入った。ぼくのよく利用する共同浴場で、湯上がりに食べた100円のアイスクリームがうまかった。

 R136との合流点の交差点に出ると、R136で4、5キロ、土肥峠(船原峠)方向に行き、第6湯目の船原温泉「船原館」の湯に入る。気分よく入れる湯。お狩り場焼きを名物にしているので、今度は泊まりで行ってみたい。

 R136で三島へ。日が暮れる。

 第7湯目の修善寺温泉では、無料の混浴露天風呂「独鈷の湯」に入った。日が暮れたこともあって、何人かの入浴客と一緒になった。

 最後に第8湯目の伊豆長岡温泉に行き、「南共同浴場」の湯に入り、三島に出た。

■一口メモ■

中伊豆の温泉というと、今回入った4湯のほかに、R136沿いには韮山温泉、大仁温泉、山裾には畑毛温泉、奈古谷温泉、駒ノ湯温泉、白岩温泉、柳瀬温泉、R414沿いには月ヶ瀬温泉、嵯峨沢温泉、少し入ったところに吉奈温泉がある。これら中伊豆の温泉は、すべてが狩野川の本流、支流沿いにある。

■天城峠編その2で立ち寄った温泉一覧■

1、河内温泉   金谷旅館  1000円 温泉情緒たっぷりの千人風呂はいい  

2、蓮台寺温泉  三吉屋旅館  500円 トロピカルな大浴場         

3、湯ヶ野温泉  かわづ荘   500円 国民宿舎「かわづ荘」の露天風呂   

4、大滝温泉   天城荘   1000円 温泉のオンパレード。すごいの一言  

5、湯ヶ島温泉  河鹿の湯   250円 共同浴場。13時~22時30分   

6、船原温泉   船原館    800円 ガラス張りの大浴場         

7、修善寺温泉  独鈷の湯    無料湯 温泉街の中心にある混浴の露天風呂  

8、伊豆長岡温泉 南共同浴場  200円 もう一ヵ所、「あやめの湯」もある