秘湯めぐりの峠越え(48)瓶割峠編(静岡・愛知)
(浜松→浜松150キロ・取材日1996年2月27日)
高速一気走りで浜松へ
今回の相棒は、ニューDJEBELだ!
午前7時、神奈川県伊勢原市の自宅を出発。ガソリンを満タンにし、東名高速の秦野中井ICから浜松ICへ。200キロの高速一気走りだ。東名は全線、雨…。
スズキDJEBEL250XCの高速走行は、申し分がない。スグレモノは大型のナックルガードだ。防風のみならず、高速走行での防雨にも大いに効果を発揮し、グローブの指先はほとんど濡れない。
110キロから120キロぐらいで200キロ間を一気に突っ走った。浜松ICで降りた直後にガソリンを入れ、燃費を計測したが、リッター22・5キロだった。
今回の出発点は浜松。
徳川家康が一時期、拠城にしていた浜松城を見、R257、362経由で細江へ。細江から南下して浜名湖を一周し、湖周辺の温泉をめぐっていく。
まずは、遠州最大の温泉地、舘山寺温泉へ。ここには22軒の温泉ホテル・旅館があるが、そのうちの、浜名湖の内浦湾を見下ろす大草山中腹「大草荘」の湯に入った。
伊勢原から浜松まで、ずっと雨に降られっぱなしだったので、湯につかったときは、生き返ったような思いだ。無色透明の湯。湯船に身体を沈めると、湯がザーッと、音をたてて流れ出る。「大草荘」のすぐ近くには、国民宿舎の「浜名湖かんざんじ荘」がある。
湯から上がると、内浦湾をぐるりとまわりこんで走り、曹洞宗の名刹舘山寺に参拝。寺のすぐ下にある食堂の「舘山寺園」で早めの昼食にする。浜松に来たからにはと、うなぎを食べる。うなぎのキモの吸い物つきのうなぎ丼(1200円)だ。
「う~ん、満足、満足!」
温泉に入って、名物料理を食べれば、この世は極楽!!
遠州の秘湯へ…
第1湯目の舘山寺温泉からR1の舞坂に向かって南下していく。土砂降りの雨‥‥。嵐のような天気で、風も強い。舞坂に近づいたところで、雄踏町の雄踏温泉に立ち寄る。浜名湖畔の1軒宿。白亜の高層リゾートホテルだが、入浴のみは不可。
舞坂でR1に出、弁天島温泉へ。
JR東海道本線の弁天島駅の駅前温泉。R1沿いに何軒かの高層ホテルが建ち並んでいるが、どこも、入浴のみは不可。残念‥‥。2湯連続で入れなかった。このように、温泉というのは、温泉宿に行きさえすれば入れるというものではないのだ。
舞坂町から新居町に入ったところで、新居浜温泉の湯に入り、R1からR301へ。東海道の新居の関所を見、浜名湖とつながっている猪鼻湖畔の三ヶ日温泉に入り、三ヶ日からR362で細江に戻った。これで浜名湖を一周したことになる。
R257を北へ。引佐で国道を左折し、奥山高原へ。
名刹の方広寺に参拝したあと、ダート7キロの扇山林道に入っていく。この林道はスズキやヤマハのテスト車がよく走っているので有名だ。
静岡愛知県境の富幕山の山頂直下を通り、静岡愛知県境の瓶割峠に出た。ここまでがダート。そして瓶割峠を越えて愛知県に入った。
次に陣座峠を越えて静岡県に入り、R257の引佐に戻った。
引佐からR257で愛知県の鳳来町に向かう。県境の手前で国道を右折し、10キロほどの渋川へ。そこからさらに3キロほど行った山中に、1軒宿の渋川温泉がある。遠州随一の秘湯だ。渓谷の宿の前には、滝が流れ落ちている。宿の小さな湯船につかり、秘湯気分を満喫した。
渋川に戻ると、天竜市に抜ける峠道に入っていく。峠の手前で、もうひとつの遠州の秘湯、儀光温泉に立ち寄る。ここもやはり、山中の一軒宿。だが、入浴のみは不可…。
今度、いつか、泊まりで来よう。
夜の峠越え。
DJEBEL250XCの大光量ライトがなんともありがたい。ナイトランが、きわめて楽だ。天竜市でR152に出、浜松に戻ったが、最後の最後まで雨の1日だった。
■一口メモ■
静岡県は旧国名でいうと伊豆(豆州)、駿河(駿州)、遠江(遠州)の3国から成っているが、大井川が駿州と遠州の境になっている。今回の「瓶割峠編」で入れなかった遠州の温泉というと、掛川の北にある法泉寺温泉と倉真温泉、大井川右岸にある白沢温泉、寸又峡にある寸又峡温泉などがある。
■瓶割峠編で立ち寄った温泉一覧■
温泉名 温泉宿名 入浴料 一言コメント
1、舘山寺温泉 大草荘 1000円 湯から上がると、お茶と茶菓子が出た
2、雄踏温泉 「浜名湖ロイヤルホテル」は入浴のみは不可
3、弁天島温泉 約20軒の宿があるが、どこも入浴のみは不可
4、新居浜温泉 松家旅館 1000円 きれいな宿、きれいな浴室、きれいな湯船
5、三ヶ日温泉 クラッセ 1500円 リッチな気分で入った猪鼻湖畔の温泉ホテル
6、渋川温泉 湯元館 450円 愛知県境に近い1軒宿の温泉旅館。遠州の秘湯
7、儀光温泉 渋川温泉に負けず劣らずの、遠州の秘湯だ