賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

韓国食べ歩き:第11回

 (『あるくみるきく』1987年1月号 所収)

東大門市場近くでの夕食

 午前中は南大門市場を歩いたので、午後は東大門市場を歩いた。くたくたになるまで歩きつづけ、夕食は東大門市場近くの大衆食堂で食べることにした。

 その一角には食堂が何軒か並んでいたが、私たちが入った店は入口で魚を焼いていた。そのうまそうなにおいにつられて入ったようなものだ。

 私たちは焼魚のほかに、魚のチゲを食べた。

 チゲは日本でもなじみの深い鍋料理だが、具のたっぷりと入った味噌汁といったところで、魚のほかにハクサイや豆腐が入っている。

 魚はイシモチで、韓国ではタチウオと同じようによく食べられる。

 チゲは家庭料理としてもきわめて日常的なメニューで、ひんぱんにつくられる。

 イシモチのほかには、タラやカニ、貝類、豚肉などを入れるチゲがあり、キムチを入れるキムチチゲもある。

 私たちはさらにそのあと、カルビを食べた。

 チゲ同様、日本でもすっかりおなじみとなったカルビは、牛のあばら肉の焼肉。

 それにしても、カソリも神崎さんもよく食べる。私たちは何でもかんでも貪欲に食べる「鉄の胃袋」を持った者同士なのだ。