賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

①「300日3000湯」(2006年~2007年)の「ゆーゆーさん」

 8パートに分けてまわった「300日3000湯」の「温泉めぐり日本一周」の第6弾目、「本州東部編」の第1日目のことだ。

 

 2007年6月20日、東京・日本橋を出発。千葉県に入り、君津ICで館山道を降り、国道127号で房総半島の内房海岸を南下した。第1湯目はかなや温泉の日帰り湯「海辺の湯」。第2湯は岩井海岸から内陸に入った岩婦温泉の「岩婦館」。よっぽどの温泉好きの人でしか、行かないようなところ。初めての人にとってはみつけるのも難しい。そんなところに美人で温泉大好きな「ゆーゆーさん」が来てくれた。「ゆーゆーさん」はぼくの入りそうな温泉をリストアップし、岩婦温泉にネライをつけて来てくれたのだ。

 ここから「ゆーゆーさん」との温泉めぐりがはじまった。なんともラッキーだったのは第4湯目の石塚温泉「古原屋香館」。浴室はひとつで女将さんはちょっと困った顔をしていたが、「ゆーゆーさん」は混浴でかまわないといってくれる。明るい浴室の無色透明の湯に2人で入った。「ゆーゆーさん」は正真正銘の「温泉人」なので、女性がよくやるようなタオルをつかったり、バスタオルを巻いての入浴はしない。ぼくが先に湯から上がったが、女将にはいわれてしまった。「お仲のよいこと!」。そこでカソリ、すっとぼけて、涼しい顔でいった。「ええ、そうなんですよ、とってもいいんです!」(ゴメンナサーイ、ゆーゆーさん、なにとぞお許しのほどを…)。

「ゆーゆーさん」が湯から上がると、女将さんに案内されて我々は庭の鈴なりになっているすももの木につれていかれた。甘酸っぱいすももが食べ放題。そこで食べたすももの味も忘れられないものとなった。

「ゆーゆーさん」との温泉めぐりはさらにつづいたが、第7湯目の太海温泉「こはら荘」でもうれしい混浴。ここも浴室はひとつで、女将さんは我々を2階の浴室に案内すると、さっさと入口には「男性入浴中」、「女性入浴中」の2枚の札をかけた。熱めの湯で色白の「ゆーゆーさん」の肌はみるみるうちに桜色に染まっていく。

 ぼくが先に出たが、脱衣所の磨りガラス越しに、湯船から上がった「ゆーゆーさん」のきれいな体の線がはっきりと見えてしまった。「見てはいけない、見てはいけない!」と自分で自分にいいきかせるのだが、どうしても目はそっちの方にいってしまう(ゴメンナサーイ、ゆーゆーさん、なにとぞお許しのほどを…)。

 最後は第9湯目の青堀温泉。ここは「ゆーゆーさん」に教えられたところ。ぼくはここでの宿泊だったが、「ゆーゆーさん」は夜道を横浜目指して帰っていった。車のテールランプが見えなくなったとき、胸の中にぽっかりと大きな穴があいたような気分に襲われた。それを埋めるのは大変なことだった…。

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※管理人より

始め、この原稿を受け取ったときにはスパムメールでソフトエロ小説が送られてきたのかと思いましたが。

>湯船から上がった「ゆーゆーさん」のきれいな体の線がはっきりと

>見えてしまった。「見てはいけない、見てはいけない!」と自分で

>自分にいいきかせるのだが、どうしても目はそっちの方にいってし

>まう

…ものは言いようですなぁ。

それにしても、「すもも」って何かの比喩とかじゃ、ないんですよね???

がはは。