賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(34)

 雨期の水の溜まったウユニ塩湖を走り、ウユニの町に戻った。

 今度はウユニ塩湖の南のルートでチリ国境に向かう。ウユニの町を出ると二又の分岐。そこには右サンクリストバル91キロ、左アトチャ101キロの道標が立っている。この分岐を右へ、サンクリストバルに向かう。左のアトチャはウユニからアルゼンチン国境に通じる鉄道沿いの町。そこにはアトチャ駅がある。

 ウユニからは標高4000メートル前後のアタカマ高地を行く。幅広のダートが高原を貫いて一直線に延びている。DR-Z400Sではちょっとものたりなくなるほどのフラットダートだ。

 ウユニを出てから2時間ほどでサンクリストバルの町に着く。ここで給油、町を出たところで昼食。アタカマ高地でのランチ。サンドイッチを食べたところで、昼食後の休憩時間を目一杯つかって昼寝する。これが最高の気持ちよさ。

「さー、出発しましょう!」

 道祖神の菊地さんの声で飛び起き、チリ国境へ。標高4300メートルの峠を越える。ゆるやかな峠。目の前には噴煙を上げる火山が見える。チリ国境からウユニに向かっていく列車も見える。

 ボリビア・チリの国境はオラグエ。ここは標高3720メートル。ボリビア側のイミグレーションに到着したのは14時30分。ウユニから224キロの地点だ。

 出国手続きは簡単に済み、チリ側のイミグレーションへ。4キロほど。その中間点が両国の国境になる。

 15時、チリ側のイミグレーションに着く。ここにはアントファガスタ行きの列車が止まっていた。チリでの入国手続きには手間取り、国境を出発したのは2時間後の17時。チリは夏時間に入っていたので、チリ時間では18時になる。しかしこの時間だと、まだ昼間のように明るい。 

 チリに入りカルマの町に向かっていく。いくつもの火山を見る。塩湖も見る。道に沿って鉄道が通っている。日が傾くと、西日をモロに受けて走るようになる。やがて長い夏の日が落ち、暗くなる。カルマまではナイトランだ。

 世界でも最大級のチュキカマタ銅山の明かりが見えてくるとカルマは近い。

 国境から200キロのカルマに着いたのは23時。「ホテル・アルファ」に泊まった。

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ウユニ塩湖を走る!

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ウユニの町外れの分岐

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アタカマ高地を行く

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アタカマ高地でのランチ

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ボリビア・チリの国境地帯

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国境からカルマへの道