賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「南米・アンデス縦断」(6)

 ナスカでは「ナスカ・ラインズ・ホテル」に泊まった。「リネアス・デ・ナスカ」(ナスカの地上絵)を英語でいえば「ナスカ・ラインズ」になる。「ナスカの地上絵」をホテル名にしている「ナスカ・ラインズ・ホテル」は、プールもあるようなナスカの最高級ホテルなのだ。さっそくきれいなプールでひと泳ぎする。乾いた空気なのでプールから上がったときは気持ちよかった。

 そのあとはナスカの町を歩いた。人口3万人ほどのこじんまりとした町。夕方になってホテルに戻ると、メンバーのみなさんとビール宴会。これが楽しい!

 夕食は町中のレストランで。

「ロモ・サルタード」と「サラダ」を食べる。ロモというのは牛のヒレ肉。サルタードは炒めるという意味で、牛肉の入った野菜炒めといったところ。それにライスとポテトがついている。

 夕食が終わると、メカニックの小島さんは、トラブルを起こした対比地さんのセローの修理をする。小島さん、ご苦労さま!

 対比地良輔さんは25歳。今回の参加者の中では一番若い。彼とは2006年の「シルクロード横断」を一緒に走っている。

 これは後日談になるが、対比地さんは2011年には見事、「世界一周」を成しとげた。そのときの対比地さんの「世界一周」を応援する下記のようなカソリの一文が残っているので紹介しよう。題して「リョースケ、がんばれ!」。

◇◇◇

道祖神」のグランドバイクツアー、2006年の「シルクロード横断」(天津→イスタンブール)、2007年~2008年の「南米・アンデス縦断」(リマ→ブエノスアイレス)で一緒に走った対比地良輔さんが、6月30日、「世界一周」に出発します。スズキDR-Z400SMを走らせてシベリアを横断し、ウラル山脈を越え、ヨーロッパに向かっていきます。

 今の時代、若者たちはすっかり内向的になり、海外への夢をなくし、無気力になっているとよくいわれますが、対比地良輔さんの「世界一周」はまさにそれをブチ破るかのような快挙はないですか。胸が躍ります。

 艱難辛苦の連続だった「シルクロード横断」、「南米・アンデス縦断」では苦楽どころか生死をともにした我々、仲間としては、

「リョースケ~、がんばれよ~!」

と、大きな声で声援を送りたくなります。

 ということでみなさん、良輔君の旅の安全と旅の成功を願って、集まろうではありませんか。そしてみんなで良輔君を励ましてあげましょう。

 旅の途中、何度となく苦しい目にあうことでしょうが、そのたびに良輔君はきっとみなさんの励ましを思い浮かべ、またがんばろうという気持ちになると思います。

(2011年4月18日)

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ナスカで泊まった「ナスカ・ラインズ・ホテル」

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ナスカの町を歩く

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夕食の「ロモ・サルタード」

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夕食のサラダ

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夜遅くまでバイクの修理をするメカニックの小島さん