「鵜ノ子岬→尻屋崎2012」(4)
塩屋崎からは舞子浜を北上。松林の中の県道382号を走る。カソリのV-ストロームが先を行き、渡辺さんのセローがフォローする。
県道382号は夏井川にかかる橋に大きな段差ができ、長らく通行止めになっていたが、今は通行可。問題なく走れる。
海岸には大きな瓦礫の山がいくつもできている。
「(この瓦礫処理が)一日も早く終わりますように!」
と願わずにはいられない。瓦礫の処理が終らないことには、復興はますます遠のくばかり。日本各地で被災地の瓦礫受け入れを反対している住民たちに見せたい光景だ。
四倉で国道6号と合流し、波立海岸へ。
短いトンネルで抜けたところが岬。波立岬といってもいいようなところなのだが、岬に名前はついていない。
国道沿いの「波立食堂」は大津波に押しつぶされたが、反対側の「波立薬師」は無傷で残った。それ以上に驚かされるのは岬の岩礁に立つ赤い鳥居が残ったことだ。
「なぜ、どうして…」
といいたくなるが、鳥居には何か目に見えない力があるのだろうか。それとも鳥居の形に何か秘密があるのだろうか。今回の大津波の被災地では、いくつもの鳥居が同じようにして残った。これはもう「鳥居の奇跡」としかいいようがない。
久之浜の海辺の町並みは壊滅状態。ここでは大津波に襲われ、それに追い討ちをかけるように大火に見舞われた。その中にあって秋葉神社だけが残った。一面の荒野と化した被災地にポツンと残った神社…。
ここでもまたしても「なぜ、どうして?」の声が出てしまう。秋葉神社は火除けの神としてよく知られているが、まるでそれを証明するかのように大津波から残っただけでなく、大火も秋葉神社の手前で止まったのだ。
無傷で残った波立薬師
国道6号沿いの波立海岸
「波立食堂」の跡
殿上崎の北側の久之浜漁港
一面の荒野と化した久之浜の被災地