賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「カソリの温泉めぐり・東京編」(2)

 平和島温泉から第一京浜(国道15号)の平和島口交差点に戻ると、そこからは旧東海道を歩く。

 日本橋を出発点とする東海道は、東京都内では品川宿と大森、六郷の3区間にのみ旧道が残っている。それだけに大森の第一京浜の東側を通る旧東海道は貴重な存在だ。

 さすが「海苔の大森」だけあって、海苔問屋が目につく。

「和中散」の店跡もあった。

「和中散」というのはよく知られた東海道の道中薬。大森には3軒の和中薬の店があったとのことで、ここ中原の店は江戸に最も近い人気の店だったという。宝永年間(1704年~1711年)創業の店は、昭和11年(1936年)までつづいたという。

「海苔」と「和中散」それと「麦藁細工」が、大森の三大名産品になっていた。

 旧東海道は環七にぶつかる。

 東京の幹線道路に出るといっぺんに現実に引き戻されるような感じがするが、環七を横切り、さらに旧東海道を歩く。産業道路との分岐点、大森警察署のある交差点で第一京浜に吸収され、幅広の道になる。

 旧東海道大森区間を歩けてほんとうによかった。これも平和島温泉のおかげというもの。第一京浜の「駅入口」の信号を右に曲がり、京急大森町駅前に出た。ここからは京急の各停で京急蒲田駅に向かうのだ。

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平和島温泉「クワハウス」に隣接する複合ビル

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旧東海道を歩く

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大森の旧東海道

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環七近くの旧東海道

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京急大森町駅の高架化完成

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高架になった京急大森町駅