賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

「旧満州走破行2004」(43)

 ハイラルで連泊したホテル「貝爾大飯店」の朝食を食べ、中露国境の満州里に向かう。 ハイラル郊外のガソリンスタンドで給油し、国道301号を行く。

 この国道301号は旧満州の横断ルート。黒龍江省の中露国境の町、ソイフェンホーを起点にし、ハルビン、チチハルと通り、阿栄旗で内蒙古自治区に入り、ハイラルから中露国境の満州里へ。全長1636キロの国道だ。

日本でいえば「東京→鹿児島」の国道1号、国道2号、国道3号の合計距離数よりも長くなる。さすが大陸、中国の国道は長い。

 ハイラルから満州里に向かうと、やっと猛烈な寒さから解放される。

 一面の大草原。羊や馬の群れを見る。2コブのラクダも見る。スズキQS110を走らせ、一直線に延びる国道301号で地平線を目指した。風景がとてつもなくデッカイ!

 満州里に近づいたところでは砂丘を越えた。

 モンゴルのゴビ砂漠から東に延びる砂丘地帯。バイクを道端に停め、砂丘のてっぺんに登る。この砂丘こそ、アフリカ大陸からユーラシア大陸へと延びる大砂漠地帯の最東端になる。この砂丘地帯は大興安嶺山脈で止まっている。

「すごいものを見た!」

 という感動でぼくの胸は熱くなった。

 アフリカ大陸の大西洋から紅海まで東西5000キロのサハラ砂漠はアラビア半島からイラン、パキスタンの砂漠へとつづき、さらにカラコルム山脈を越え、タクラマカン砂漠からゴビ砂漠へとつづく。その東端の砂丘に、「今、立っている!」。

 世界の大半の砂漠をバイクで走破してきた「砂漠大好き人間」のカソリ、砂漠走破行の我が世界地図に新たなルートの赤線を書き加えたのだ。

「これからも、世界の砂漠を走りまわりたい!」

 と、内蒙古の砂丘のてっぺんで思いを新たにした。

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ハイラルの「貝爾大飯店」の朝食

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ハイラルのガソリンスタンド

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中露国境の満州里へ

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国道301号を行く

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馬の群れを見る

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2コブのラクダ

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内蒙古の砂丘に立つ!

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砂丘地帯を貫く国道301号