「旧満州走破行2004」(34)
10月2日(土)晴 加格達奇→根河(その3) 第12日目
甘河を出発。スズキQS110を走らせ、大興安嶺山脈の峠を越えていく。峠の周辺は雪景色。峠を下った所には検問所があった。これは森林パトロールの「木材検査所」。
1987年5月6日、中国北端の町、漠河近くの大興安嶺山脈の森林地帯で山火事が発生した。カラカラの天気がつづいていたので火はままたくまに燃え広がり、漠河の町を焼き尽くし、南の塔河に向かって延焼した。
すさまじい山火事で28日間、燃えつづけ、250キロ南の塔河でやっと食い止めることができた。焼失面積100万ヘクタールという中国建国以来、最大の山火事になり、290人もの死者を出した。日本でいえば、四国の半分以上が燃えたことになる。
原因は森林作業員のタバコの火の不始末だという。
この山火事を機に大興安嶺山脈を貫く道路沿いには何ヵ所もの「木材検査所」が設置され、火器の持ち込みを厳しく取り締まっている。それと同時に盗伐の監視もしている。
大興安嶺山脈の最後の峠を越え、山麓の根河へ。ここには大興安嶺山脈の少数民族、オウンコ族の博物館がある。トナカイとともに生きるオウンコ族の伝統的な生活が紹介され、シラカバの皮でつくったカヤックや民具類が展示されている。
博物館の見学を終えると町の食堂で夕食。まずは「ハイラルビール」を飲み、干しイカ、野生動物の肉料理、キノコ料理、鍋、炒飯を食べた。
日が落ちると気温は一気に氷点下に下がる。町の中心のホテルに泊まったが、あまりの寒さにガタガタ震えた。ここでは3日前の9月30日には20センチもの雪が積もったとのことで、
「よかったねえ、3日前だったら、とてもではないがバイクでは走れなかったよ」
といわれた。
初雪は9月16日だったという。
大興安嶺山脈の雪の峠越え
大興安嶺山脈の「木材検査所」
根河の博物館。左を歩いているのはオウンコ族の女性
トナカイと共に生きるオウンコ族
オウンコ族のトナカイの使い方
シラカバの皮でつくったカヤック
これが「ハイラルビール」
夕食の干しイカ
管理人、我慢できず:
それにしても日本人からするとすごい民族名ですわな・・・。
現地で自己紹介されたら吹いてしまいそうで怖い。