台湾往復縦断2011(53)
拉拉山から北横公路(国道7号)を走り、復興郷の中心、復興の町に到着。北横公路は大渓と宜蘭を結ぶ台湾横断のルートだが、復興が実質的な起点になるので、町には「北横」の碑が建っている。
台鈴の125ccスクーター、TEKKENを町中に停め、「角板山公園」を歩く。復興郷は「角板山」とも称されているが、ここは見所満載だ。
まず最初に、昭和天皇が皇太子時代に来たことがある「貴賓館」を見る。ここには第2次大戦後の一時期、蒋介石が住んでいたという。
次に「角板山行館」を見学。ここには蒋介石の写真や資料が展示されている。
角板山行館の脇にある「思親亭」は、蒋介石が故郷の中国・浙江省の渓口鎮に似たこの景色を夫人と一緒に眺めた所。絶景だ。足下を大漢渓が大きく湾曲して流れ、周囲の山々が谷間に落ち込んでいる。そこには40数年の歴史があるという渓口吊橋がかかっている。台湾ではよく知られた橋だ。
蒋介石は角板山に近い大渓の慈湖に葬られたが、蒋介石逝去後の喪中の間、息子の蒋経国は慈湖から角板山行館まで来て、「思親亭」で蒋介石を偲んだという。
角板山公園には 「夫妻樹」がある。1950年に蒋介石夫妻が植えたガジュマル。2本のガジュマルは数年後には抱き合うような形になり、それ以来、「夫妻樹」と呼ばれるようになったという。ここにはクスノキの大木もある。復興はかつてはクスノキを原料とする樟脳の集散地として栄えた。
最後に公園内で売られている復興郷特産の水蜜桃を食べ、復興の町を後にした。
復興の町に到着
角板山公園に残る「貴賓館」
「角板山行館」を見学
蒋介石夫妻の植えた「夫妻樹」
「思親亭」から見下ろす風景