賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

台湾往復縦断2011(49)

 蒋介石の別荘「蒋公行館」のある棲蘭を出発。北部横断(横貫)公路の国道7号を行く。台鈴の125ccスクーター、TEKKEN(鉄拳)を走らせ、峠を目指して登っていく。

 パワフルなエンジンのTEKKENなので難なく峠道を登りつめ、宜蘭県桃園県の境の名無し峠に到着。標高1090メートルの峠だ。このあたりまで来ると、さすがの雪山(3884m)を主峰とする雪山山脈も、スーッと高度を下げて低くなる。

 峠を下ったところで大渓に通じる国道7号を右に折れ、拉拉山に登っていく。

 拉拉山というのはひとつの山ではなく、この一帯を指す地域名のようだ。そこはまさに天上の世界。山上まで登ると拉拉山の町があり、展望台からは深く切れ込んだ谷を見下ろす。まわりには幾重にも重なりあって山々が連なっている。

「拉拉山(ララサン)」というのは先住民、タイヤル族のタイヤル語で「きれいな所」を意味するという。

 そんな拉拉山にある「景仁山荘」に到着。ここが我々の今晩の宿になる。

「景仁山荘」は台湾民宿協会が発行している冊子、『台湾民宿』にも載っている。

 その『台湾民宿』の区分けがおもしろい。「異国風情風」(エキゾチック・スタイル)、「懐旧復古風」(ノスタルジア・スタイル)、「原住民采風」(アボリジナル・スタイル)、「家庭温医風」(ウォームファミリー・スタイル)、「田園郷村風」(パストラルカントリー・スタイル)に分けられ、「景仁山荘」は「田園郷村風」の中に入っている。

 台湾全土で73軒の民宿が1ページ大で紹介されているが、「景仁山荘」はそのうちのひとつ。人気の宿なのだ。

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棲蘭の「蒋公行館」を出発

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北部横断(横貫)公路の峠

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拉拉山の入口

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拉拉山の町並み

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拉拉山の「京仁山荘」に到着!