台湾往復縦断2011(5)
台北の中心街、松江路に面した台鈴工業の本社に戻ると、台鈴製125㏄スクーターの「TEKKEN(鉄拳)」を降り、今度は歩いて海鮮料理店に行く。
台鈴の李さんの一言がうれしい。
「カソリさん、おいしいもの、食べさせてあげますからね」
店に入ると、まずは「台湾ビール」で乾杯。軽いタッチの台湾人気質の明るさを感じさせるようなテイストだ。
李さんと乾杯。
台鈴のみなさんと乾杯。
そのあとは怒涛のごとくに台湾料理の数々がテーブルに出てくる。ほんとうにすごいぞ。それを台鈴のみなさんと一緒にいただく。
台湾ビールのあとは紹興酒だ。
料理はうまいし、台鈴のみなさんとは昨年の「台湾一周」で一緒だったので、ものすごいなつかしさもあってあっというまにビンが空いていく。
いやー、たまらん。
そんなところへ台鈴工業董事長(会長)の黄さんが来てくださる。日本の上智大学に留学しただけあって、黄さんの日本語はとても上手だ。
「賀曽利さん、よく来てくれました。またこうしてお会いできてうれしいです」と歓迎された。黄さんは留学時代、小田急線の東海大学前に住んでいたので、ぼくの住む伊勢原もよく知っている。黄さんとの小田急線談義は楽しいものだった。
台鈴工業は黄さんのお父さんが築き上げた企業集団だが、何社もの会社を今、2代目の黄さんが統率している。
黄さんは東日本大震災では義援金の募金ではずいぶんと動いてくださった。台湾は短期間で100億円以上もの義援金を集め、すぐさま日本に送ってくれたのは新聞報道などでもよく知られている。
ほんとうに「謝謝、台湾!(台湾よ、ありがとう!」なのだ。
黄さんは小池百合子議員とも親しくしているとのことで、小池議員が震災後、すぐに台湾に来てくれたことが大きいという。黄さんは小池議員の行動力を高く買っている。
「小池さんには日本初の女性首相になってもらいたいです」
ともいっている。
東日本大震災被災地の村井宮城県知事、佐藤福島県知事とも面識があるとのことで、とくに村井知事の見識の高さを評価していた。日本の大学に留学し、日本を、日本人を知り尽くし、日本語の堪能な黄さんならではの人脈の広さだ。
黄さんの話は胸に残った。
今回の大震災は明治維新、終戦に次ぐ大きな変革を日本にもたらす可能性があるという話だ。大震災をチャンスととらえる前向きな発想がすごくいいではないか。
黄さんは今の日本の若者を心配していた。力を失くしてしまったかのように黄さんの目には映るようだ。
その若者たちの出番が今回の大震災だという。新しい国造りに若者たちの発想で、若者たちのパワーでどんどん参画してもらいたいという。
日本人以上に日本を想ってくれる黄さんだ。
黄さんが戻られたあと酒宴はお開きになったが、何とも心に残る台北の夜だった。
この店で夕食
「台湾ビール」はうまいぞ!
李さんと乾杯!
台鈴のみなさんと乾杯!
カキ鍋
イカ料理
牛肉料理
海鮮グラタン
カエル鍋
紹興酒の登場だ!
台湾風サラミ
アヒル料理
揚げ豆腐
蒸籠エビ
海鮮鍋
台鈴董事長(会長)の黄さんが来てくださった!