賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

伝説の「賀曽利隆オンライン」(18)

(2001年3月10日)

 みなさん、こんにちは。すっかり春らしくなりましたね。

 前回ふれた「島編・日本一周」ですが、3月22日(木)の午前6時に東京・日本橋を出発します。まずは序章編といったところで、伊豆七島の島々をまわります。

 東京港竹芝桟橋から東海汽船でまずは伊豆大島へ。そのあと利島、新島、式根島とまわり、神津島からいったん東京港に戻ってきます。

 つい先日、東伊豆の岬をめぐりながら、伊豆半島南端の石廊崎まで行ってきましたが、その途中、下田に近い爪木崎に立ちました。そこからは伊豆七島の島々がよくみえたのです。ちょっと感動的なシーンで、思わず「待ってろよ、今、行くからな!」と、岬突端の灯台の下で水平線に向かってそう叫んでやりました。

 第1日目はけっこう期待しています。6時に日本橋を出発すると、出港時間の22時まではかなり時間があるので、その間で越中島から石川島、佃島、月島と東京の島々(といっても今では橋でつながったり、埋め立てで地つづきになっていますが)をまわろうと思っています。佃島などでは江戸文化の名残をじっくりと見てみたいものです。

 本来ならば、そのあとつづけて三宅島、御蔵島八丈島とまわりたいところですが、みなさんもご存じのように今、三宅島には渡れません。そこで、これら3島は最後にもってこようと考えています。いちおう年内で「島編・日本一周」を終えるつもりですが、今年の末ぐらいだと三宅島の状況はかなりよくなっているのではないかと期待しています。

 そのあとで小笠原まで行き、「島編・日本一周」を終わらようと思っています。

 今回の「島編・日本一周」は「本州東部編」、「本州西部編」、「北海道編」、「四国編」、「九州編」、「沖縄編」の6分割でまわる予定にしています。その間の8月には、道祖神の「カソリと走ろうシリ-ズ」の第6弾として世界最長ダート、オーストラリアのキャニングストックルートを走ります。

                             

(2001年3月25日)

 昨年の「韓国一周」を書いた『バイクで駆ける韓国一周3000キロ』(JTB刊)の本が出ました。みなさん、ぜひともお読み下さい!

 ぼくは今までに124ヵ国の国々を旅していますが、その最初の国、第1番目が韓国なのです。1968年、バイクでの「アフリカ大陸縦断」を目指して船で南部アフリカのモザンビークに向かいましたが、横浜を出港したオランダ船「ルイス号」は名古屋、神戸と寄港し、その次に韓国の釜山に寄港したのです。

 なんともラッキーなことに、このとき、1時間に限っての上陸許可が下りました。ぼくは初めての異国の地を無我夢中で歩きまわりました。我が人生でもっとも中身の濃い1時間といっていいでしょう。このときの思い出は自分の脳裏に焼きついて離れません。初めての異国というのは、それほどのものなのです。

 ぼくはその後、1973年、1976年、1986年と韓国に行きましたが、行くたびに韓国は急速に変わっていきました。

『バイクで駆ける韓国3000キロ』は昨年の「韓国一周3000キロ』を縦糸にし、今までの4度の韓国の旅を横糸にして織り上げたような本。ぼくの韓国への思いがこめられています。

 その中の1章は1986年のソウル編なのですが、このときはソウルを徹底的に食べ歩きました。食べることによって韓国を見ようとしたのです。ソウル食べ歩きが、その後の「食文化研究家」カソリへとつながっていきます。今、日本国内でも郷土料理を食べ歩いていますが、その原点がソウルなのです。

 ところで、JTB刊の本は『バイクで駆ける韓国3000キロ』が7冊目になります。ほんとうにありがたいことですが、既刊の『50㏄バイク日本一周2万キロ』、『50㏄バイク世界一周2万5千キロ』、『バイクで駆けるインドシナ1万キロ』、『バイクで越えた1000峠』、『鈍行乗り継ぎ湯けむり紀行』と、これら6冊とも、今でも入手可です。まだの方、ぜひともこの機会にJTB刊のカソリ本をお読み下さい。