台湾一周2010(31)
6月21日(月)晴・墾丁→瑞穂(その7)
名残おしい大渓小学校をあとにし、大渓からは右手に広がる太平洋を見ながら国道9号を走る。この一帯は台湾山脈(中央山脈)南端の山並みが海に迫り、何本もの川が急流となって海に流れ出ている。
それらの川が昨年(2009年)の台風でことごとく大氾濫を起こし、この一帯に大きな被害をもたらした。川はまるで巨大な滝のようになり、集落を次々に飲み込み、多数の死傷者を出した。大量の土砂と流木は下流一帯の田畑を無残にも埋め尽くした。
台鈴が大渓小学校を訪問し、文房具などを送ったのは、台風で被災した人たちをすこしでも元気づけたいという願いがあったからだ。
台湾の東海岸を縦貫する国道9号も大きな被害を受け、いまだにあちこちで復旧工事をしていた。
台湾東海岸最大の都市、台東に到着。このあたりまで来ると、台風の影響はあまり見られなかった。
台東は台湾東海岸最大の都市ではあるが人口は10万人ほどでしかない。地方の小都市といったところ。鎖状に大都市が連なる西海岸と、これといった都市のない東海岸では、ずいぶんと大きな違いがある。
台東は我がなつかしの町。
1976年の「台湾一周」ではこの町を拠点にして周辺の村々をまわった。台東の近くにある知本温泉にも行った。ここは日本時代から知られていた温泉。驚いたのは山地民パイワン族の村の温泉。案内されたところは畑の片角で、そこからはジャスト適温の湯がふんだんに湧き出ていた。そんな野湯につかったのだ。
その時は台東から4、5人乗りの小型機で太平洋の孤島の蘭嶼(ランユー)に渡った。ここは海洋民ヤミ族の住む島。彼らの伝統的な半地下式の家がまだ何軒も残っていた。それぞれの家には涼み台があった。夕方になるとヤミ族の男たちは涼み台に座り、夕風に吹かれながら海を見ていた。
そんななつかしの台東から郊外の観光牧場「初鹿牧場」へ。そこでは濃厚な牛乳を飲み、初鹿牧場産のアイスクリームを食べた。
太平洋を右手に見ながら走る
昨年の台風で大きな被害を受けた一帯
国道の復旧工事がつづく
田畑を埋め尽くした大量の土砂と流木
大木と大岩がゴロゴロころがっている
なつかしの台東に到着
台東郊外の初鹿牧場
初鹿牧場を歩く
初鹿牧場のキャラグッズに喜ぶ台鈴の李さん
初鹿牧場のアイスクリームを食べる通訳の西方さん
初鹿牧場の「100%純鮮乳」を飲む