賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(81)尾道→今治

(『ジパングツーリング』2002年6月号 所収)

「四国編・第2弾目」の出発点は本州側の尾道だ。

「尾道→今治」間は「しまなみ海道」を行く。

 この芸予諸島の島々を結ぶ「しまなみ海道」のよさは、50㏄バイクのSMX50でも、島から島に渡る橋を通れること。歩行者、自転車、原付用のレーンが別にある。

 尾道からは尾道大橋で向島に渡り、因島大橋で因島に渡り、生口橋で生口島に渡る。ここまでが広島県になる。

 生口島からは多々羅大橋で愛媛県の大三島に渡り、大三島橋で伯方島に渡り、伯方・大島大橋で大島に渡り、最後に来島海峡大橋で四国本土に渡り、今治へ。

 全部で7本の橋を渡るが、最初の尾道大橋以外はすべて料金箱にコインを入れるようになっている。その合計は550円でしかない。50㏄は安いのだ!

「しまなみ海道」の走行で50㏄バイクでひとつ苦労する点は、原付専用レーン」の入口がわかりにくいこと。橋を下りると、いったん「しまなみ海道」から一般道に入り、島を横断して次の橋を渡るのだが、その入口がみつけにくい。

 それはおいても、「しまなみ海道」は絶好のツーリングコースになっている。

 広島県の生口島から多々羅大橋を渡って愛媛県の大三島に入ると、芸予諸島最大のこの島を時計回りで一周した。伯方島、大島とこれからまわる島々を間近に眺め、島の西側に出ると、今度は「本州西部編」のときにまわった大崎上島を一望した。

 広島県の竹原港や大崎上島などへのフェリーの出る宮浦港からは、すぐ近くの伊予の一の宮、大山祇神社に参拝し、境内にある宝物館を見学。

 この宝物館はすごい。国宝が8点もある。国指定の重文(重要文化財)は、それ以上ある。これら大山祇神社の宝物は大三島を拠点にした「三島水軍」の力をみせつけるもの。 島北端の鳥取岬に出ると、戦時中の毒ガス製造の島、大久野島が目の前だ。「大三島一周」は46キロだ。

 次に大三島橋を渡って伯方島に入る。伯方島も時計回りで一周した。島北部の開山(174m)の山頂近くの開山展望台からの眺望は見事。対岸の大三島の長い海岸線を一望した。「伯方島一周」は24キロだった。

 最後に伯方・大島大橋で大島に渡った。大島は島の東海岸を南下。大下島、岡村島、大崎下島といった島々を眺め、来島海峡大橋を渡って今治に出た。