賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(79)生名島(愛媛)

(『ジパングツーリング』2002年5月号 所収)

 尾道駅前の「尾道第一ホテル」で朝食を食べ、7時30分に出発。尾道大橋で向島に渡り、さらに因島大橋で因島へ。

 広島県の向島と因島は「本州西部編」ですでに紹介したが、因島の土生(はぶ)港まで行き、そこから対岸の愛媛県側の島々に渡った。

 土生港に隣合った長崎港からは生名島に1日49便、弓削島には1日28便といった具合で頻繁にフェリーが出ている。そのほか土生港からの便もある。

 芸予諸島とはよくいったもので、島々はまさに安芸(広島県)と伊予(愛媛県)にまたがっている。そのような無数の島々の間には芸予の国境、広島愛媛の県境などは無いにも等しいようなものだ。

 まずは目の前に見えている生名島に渡る。

 フェリー代はSMXと合わせて150円という安さ。長崎港から対岸の立石港まではわずか5分でしかない。

 立石港を出発点にし、時計回りで生名島を一周する。

 対岸には因島の造船所が見える。弓削島もすぐそこだ。弓削島と橋でつながっている佐島も手の届きそうな距離にある。

 すごい光景だ。

 これが瀬戸内海!

 これほど島々が密集している地域はほかにない。

 生名島の南端を過ぎると赤穂根島、岩城島と見る。

 岩城島最高峰の、とがった三角形の積善山(370m)がきわだった目立ち方をしている。こうして生名島を一周し、立石港に戻った。「生名島一周」は8キロだった。