賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの島旅(34)城ヶ島・江ノ島(神奈川)

(『ジパングツーリング』2002年1月号 所収)

「島めぐり日本一周」の「本州西部編」を開始。ここでは「東京→大阪」(太平洋の島々)、「大阪→下関」(日本海の島々)、「下関→東京」(日本海の島々」の3パートに分けてまわることにする。

 その第1弾「東京→大阪」は9月10日午前6時に東京・日本橋を出発した。あいにくと台風15号が接近中。そんな荒天にもかかわらず渡辺哲さん、正木禎邦さん、野川智雄さんが見送りにきてくれた。

 東京から横浜、横須賀経由で三浦半島南端の三崎へ。猛烈な雨と風の中を走る‥。

 遠洋漁業のマグロ漁で知られる三崎からは、城ヶ島大橋で対岸の城ヶ島に渡った。

 橋の上ではすさまじい風にあおられ、スズキSMX50はあやうく吹っ飛ばされそうになる。台風の猛威を肌で感じるのだった。この城ヶ島大橋は有料だが、原付は無料だ。

 島の西端まで行く。

 遊歩道を歩き、城ヶ島灯台を見る。

 つづいて島の南海岸を歩く。岩場には高さが10メートルを超えるような大波が打ち寄せている。そこでは日本テレビとフジテレビが台風の生中継していた。

 城ヶ島から三崎に戻ると、三崎漁港には波ひとつない。信じられないくらいの穏やかな海だ。これというのも、すべては城ヶ島のおかげ。城ヶ島が自然の大防波堤になっているので、三崎は日本でも有数の大漁港になっている。

 魚市場前の「三崎館」で三崎名物のマグロを食べた。「まぐろ丼」(1500円)の丼飯の上にはブ厚い切り身のマグロがドサッとのっていた。

 三崎からは三浦半島西岸を北上。国道134号を走る。鎌倉から江ノ島へ。

 弁天橋を渡って江ノ島に入ったところでバイクを停めて歩く。ふだんだと大勢の観光客でにぎわう江ノ島だが、店々はシャッターを下ろし、ガラス窓に板を打ちつけている店もある。閑散とした江ノ島だ。

 江ノ島神社の辺津宮、中津宮、奥津宮と参拝し、平塚、大磯へ。

 伊豆半島に向かったが、国道135号は通行止。仕方なく、大磯から10キロの伊勢原の我が家に戻るのだった。