賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの林道紀行(7)「関西編」(その2)

 (『バックオフ』2003年12月号 所収)

今回まわった紀伊半島の林道・峠・温泉・食を紹介しよう。

紀伊半島の林道)

1・大鎌椎平林道

国道42号から1・0キロ地点でダートに突入。大鎌までの6・1キロのダートを往復。

2・宮城川林道

県道36号から3・1キロ地点で峠。峠からダート。大瀬手前まで9・2キロのダート。

3・大瀬矢野口林道

宮城川林道との分岐から峠を越え、県道36号に出るまでの全線がダート。8・9キロ。

4・樫山林道

県道227号から入った。樫山の小集落から先が渓流沿いのダート6・0キロ。

5・高野林道

幅広の林道。ダート2区間3・6キロ。舗装化進む。極狭路の樫山林道とは対照的。

6・西中野川林道

県道43号から入ったが、ダート区間は入口の0・5キロのみ。全線舗装化が間近。

7・大塔林道

川湯温泉から入る。ホイホイ坂林道との分岐まで舗装。3・6キロ地点で崩落通行止め。

7・東ノ川林道

稜線上の舗装林道の龍神本宮林道から入った。ダート4・7キロを往復。舗装進む。

8・坂泰林道

龍神本宮林道から入ったが、気分よく走れるダートだ。8・8キロのダートを往復。

9・橘川林道

龍神村の国道425号から入った。舗装化が進み、残されたダートは2・0キロ。

10・猪笹林道

国道425号の牛廻越下から入った。稜線へと一気に登る。ダート5・3キロ。

11・猪笹今西林道

猪笹林道分岐から川津今西林道(舗装)分岐まで稜線を行く。ダート15・6キロ。

12・奥千丈林道

高野龍神スカイラン側の入口近くに2・0キロのダート区間を残すのみ。全線舗装間近。

13・湯川笹ノ茶屋林道

高野龍神スカイラインとの分岐、笹ノ茶屋峠から4・8キロがダート。舗装化進む。

14・板尾沼谷林道

沼谷林道(舗装)との分岐から6・4キロがダート。岩坂観音前からは絶景を望む。

15・湯川有中林道

花園村の恐竜ランド前から入った。舗装化が進み1・0キロのダートを残すのみ。

16・南谷城ヶ森林道

かつてのロングダートも両方向から舗装化が進む。5・1キロのダートを往復。

17・イタツゴ奥千丈林道

箕峠を下った弓手原の先から入った。奥千丈林道との分岐まで7・4キロがダート。

18・川原樋林道

川原樋川の峡谷に沿っている。ダート8・0キロ。適度に荒れておもしろく走れる。

19・平川釜落林道

県道734号から1・7キロでダート。峠を越え、県道53号まで5・7キロがダート。

20・白谷池郷林道

おおいに期待して行った林道だが、国道425号との分岐から0・2キロ地点にゲート。

21・備後川佐渡林道

備後川林道は大半が舗装。そのまま佐渡林道に入っていく。ダート15・8キロ。

紀伊半島の峠)

1・大鎌椎平林道の峠

大山(544m)南側の串本町とすさみ町境の峠。峠からの見晴らしはよくない。

2・コカシ峠 

標高330m。県道36号の峠。国道42号の江住から登っていく。峠道からは南紀の山々を一望!

3・宮城川林道の峠

県道36号から入っていくと舗装区間が途切れたところが峠。峠からダートに突入。

4・大瀬矢野口林道の峠

大瀬から矢野口に向かって行くと、矢野口側の林道出口近くが切り通しの峠だ。

5・県道225号の峠

名無し峠だが、ぼくにとっては初めて越える峠なので、峠上では思いっきり「万歳!」。

6・香ノ塔峠 

標高390m。県道225号の2つ目の峠。内陸の小河内と海岸の見老津を結ぶ。超狭路の峠道だ。

7・樫山林道の峠(その1)

樫山林道の舗装区間の峠。峠には明和5年(1768年)の石仏。峠下は楠本。

8・樫山林道の峠(その2)

樫山林道の舗装区間の峠。楠本と樫山の中間にある。峠には「樫山林道」の木標。

9・高野小森川林道の峠

高野林道から舗装林道をそのまま行ったところにある。峠はトンネルで貫かれている。

10・県道43号の峠

峠では西中野林道と高野林道が分岐している。この県道は「峠越え」が連続する。

11・ホイホイ坂林道の峠

大塔林道との分岐から峠までは全線舗装。

12・上田路越

橘川林道の龍神村と美山村境の峠。峠を越えた美山村側は県道29号まで全線舗装。

13・川合峠

川合勝ノ又林道(舗装林道)の美山村・龍神村境の峠。

14・笹ノ茶屋峠 

標高1080m。高野龍神スカイラインと湯川笹ノ茶屋林道が交差する峠。峠を下ると清水温泉。

15・清水毛原林道の峠

清水毛原林道(舗装林道)の清水町・美里町境の峠。

16・地蔵峠

県道115号の美里町・花園村境の峠。「地蔵峠」は日本に多い峠名。

17・箕峠 

標高950m。高野龍神スカイラインと国道371号が交差する和歌山・奈良県境の峠。

18・平川釜落林道の峠

南側の県道734号と北側の県道53号を結ぶ峠。峠には林道完成記念碑が建つ。

19・白谷峠

国道425号の十津川村下北山村の境の峠。「白谷トンネル」で貫かれている。

20・備後川佐渡林道の峠

紀伊半島編」最後の佐渡(さわたり)林道の峠。夕暮れの峠に立ちカソリ感動!

紀伊半島の温泉)

1、清水温泉

清水の町並みを見下ろす丘の上にある。足下を有田川が流れる。町営の温泉宿「あさぎり」に隣り合って、ログハウスの共同湯「健康館」(入浴料600円)がある。高野槇を使った八角の浴槽。木の湯船は最高に気持ちいい。有田川の上流には花園温泉、下流には二川温泉もある。

2、龍神温泉

群馬県の川中温泉、島根県の湯ノ川温泉と並ぶ「日本三大美人湯」で知られる。和歌山県の最高峰、護摩壇山下の日高川に面した温泉。龍神高野スカイラインが無料になり、土日はこの温泉を訪れる人がどっと増えたという。風情のある数軒の温泉宿と共同浴場の「元湯」(入浴料600円)。「元湯」の檜の内風呂と露天の岩風呂の湯は肌がなめらかになる美人湯だ。

紀伊半島の食)

1、鯨

南紀の太地は宮城県牡鹿半島の鮎川と並ぶかつての日本の2大捕鯨基地。その伝統は今でも残り、沿岸捕鯨などでとれるクジラが太地港に揚がる。太地温泉の国民宿舎「白鯨」では鯨料理フルコースを5000円で食べられる。コロ、内蔵、竜田揚げ、ベーコン、おつくり、おばけ、ゴマあえ、鍋と8品が出た。

2、めはりずし&サンマずし

南紀の名物といえばめはりずしとサンマずし。めはりずしは高菜の漬物の茎を細かく刻んで飯に混ぜ、おにぎりをつくり、残りの葉で包み込んだもの。

めはりずしは本来はソフトボールの球ぐらいもある大きなものだが、店で売られているのはそれよりもはるかに小さい。「めはり」はその大きさに由来している。

サンマずしのサンマは産卵後の熊野灘まで南下したものだ。腹開きにしたサンマに塩をあて、酢に漬け、すし飯をのせ、すし箱でつくる押しずしだ。