賀曽利隆 STILL ON THE ROAD !

世界を駆けるバイクライダー・賀曽利隆(かそりたかし)。地球をくまなく走り続けるカソリの”旅の軌跡”をまとめていきます。

カソリの林道紀行(5)「四国一周編」(その3)

 (『バックオフ』2003年7月号 所収)

「四国一周・後編」で走った林道、越えた峠、食べたものを紹介しよう。

(林道編)

1・東津野村道不入山線

四万十川源流の不入山東側の村道。国道439号の矢筈峠から入ったが、仁淀村との境のゆるやかな峠を越えると短いダートになる。ダート2・1キロ

2・船戸林道

四万十川の源流、不入山の中腹に建つ「四万十川源流の碑」に通じる林道。行き止まり林道。ダート5・6キロ(往復)

3・鈴ヶ森林道

四万十川流域の最長ダート。国道439号から入り、鈴ヶ森北川の峠を越え、四万十川本流沿いの県道19号に出た。走りごたえがある。ダート22・1キロ

4・森ヶ内久保谷林道

鈴ヶ森林道よりも南の「峠越え林道」。県道322号がそのまま林道になる。春分峠を境に窪川町側が森ヶ内林道、梼原町側が久保谷林道。ダート6・3キロ

5・中津川林道

森ヶ内久保谷林道の春分峠近くで分岐する。稜線近くを走り、小松屋峠を越え、中津川の集落に下っていく。ダート13・7キロ(久保谷林道と合わせた距離)

6・西谷林道

四万十川の支流、黒尊川沿いの黒尊の集落から入る。愛媛県境の大峠まで行き、そこで折り返した。なお愛媛県側は大峠林道。ダート16・8キロ(往復)

7・玖木山林道

四万十川の支流、黒尊川沿いの玖木の集落から入る。橋を渡るとすぐにダート。宿毛市との境の峠を越える。ダート15・9キロ

8・藤ノ川掃地谷林道

西土佐村の藤ノ川の集落から入った。堂ガ森(867m)の南側、中村市との境の峠を越える。峠周辺からの眺望抜群。ダート15・4キロ

9・松明林道

愛媛県宇和町と野村町の境、大野山から大判山につづく一帯には何本もの林道がある。その1本目がこの松明峠を越える松明林道だ。ダート4・8キロ

10・大判山林道

大野山から大判山へとつづく山並みの中腹を縫って走る林道。稜線の東側、野村町側の林道になる。枝道注意。宇和町側に下る道もある。ダート10・0キロ

11・白髭林道

大判山林道と分岐して野村町の白髭の集落に下っていく林道。そのまま走れば国道441号に出る。このあたり一帯は何本もの林道が交錯。ダート1・8キロ

12・大野山林道

野村町の国道441号の渓筋の集落から入った。国道から1・5キロ地点でダート。寺谷川沿いに走りかなり登ったところで大判林道に合流。ダート5・0キロ

13・水ヶ峠林道

松明林道の松明峠の北側から入った。梅川の集落への道との分岐点からダートになる。水ヶ峠に通じているが崩落地点で引き返す。ダート3・6キロ(往復)

14・中ノ川井桑林道

韮ヶ峠を越える県道379号から入った。林道入口から1・7キロ地点でダートに突入。「四国カルスト」の南側、稜線の直下を縫って走る。ダート8・5キロ

15・愛媛県道340号

愛媛県の小田町から久万町にかけての一帯には、何本かの林道が走っている。そのうちの1本、ダート県道340号でほうじガ峠まで走った。ダート4・7キロ

15・父二峰林道

小田町と久万町境のほうじガ峠とその周辺では何本かの林道が交錯しているが、そのうちの父二峰林道で国道33号に出た。ダート11・0キロ

16・吉野川源流林道

吉野川源流、本川村の県道40号から入る。最奥の集落寺川から白猪谷林道(舗装)を経由。ラフな路面。行き止まり地点が源流。ダート4・6キロ(往復)

17・伊留谷林道

本川村とその周辺は林道の宝庫。まずは長沢ダムを渡り、東谷大森川林道経由で伊留谷林道を走り、越裏門(えりもん)の集落に出た。ダート16・6キロ

18・奥南川林道

本川村の中心、長沢に近い長沢ダムを渡り、東谷大森林道経由で大森川ダムを渡り、奥南川林道を走って国道194号の程ヶ峠に出た。ダート24・8キロ

19・弘沢林道

池川町の県道362号から弘沢林道に入る。大雨の峠を越えて本川村へ。峠を下ったところで再度、奥南川林道を走り、程ヶ峠に出た。ダート27・5キロ

20・奥白髪仁尾ヶ内林道

高知県本山町の県道264号から奥白髪林道に入った。県道から9・0km地点が大豊町との境の峠。大豊町側は仁尾ヶ内林道になる。ダート18・8キロ

21・野間殿川内林道

神山町の中心街から入っていった。かつてはほぼ全線がダートだったこの林道も、今ではほぼ全線が舗装。旭丸峠近くにわずかに0・2キロのダートが残るのみ。

(峠編)

1・根曳峠(高知)

四国縦断の幹線、国道32号の峠。南国市と土佐山田町の境。南側の高知側は長い登りがつづく。峠には根曳の集落。峠を越えた北側は吉野川の水系になる。標高384m。

2・郷ノ峰峠(高知)

四国横断の国道439号の峠。土佐町と吾北村の境。大豊側から完成まもない全長765mの郷ノ峰トンネルを抜け、峠を越えると、仁淀川の水系に入っていく。

3・大峠(高知)

四国横断の国道439号の峠。「大峠」で「おおと」。四国では峠を「と」とか「とう」という。かつての難路も新大峠トンネルが完成して越えやすくなった。標高664m。

4・矢筈峠(高知)

四国横断の国道439号の峠。仁淀村と東津野村の境。仁淀川四万十川を分ける峠で、峠のトンネルを抜け、東津野村側に入ると、四万十川の水系になる。標高942m。

5・鈴ヶ森林道の峠(高知)

四万十川流域のロングダート、鈴ヶ森林道で越える峠。鈴ヶ森(1054m)のすぐ北。大野見村と東津野村との境。四万十川本流と支流の北川を分けている。峠は切り通し。

6・春分峠(高知)

森ヶ内久保谷林道の峠。窪川町と梼原町の境。峠を境に窪川町側が森ヶ内林道、梼原町側が久保谷林道になる。四万十川本流と支流の梼原川を分ける峠。峠に碑が建っている。

8・中津川林道の峠(高知)

森ヶ内久保谷林道と分岐する中津川林道の越える峠で梼原町と大正町の境。峠を南に、梼原川の支流、中津川沿いに下っていくと中津川の集落に出る。四万十川の山村の風景。

9・黒尊林道の峠(高知・愛媛)

現在では全線が舗装化された黒尊林道の越える高知・愛媛県境の峠。ここまでが四万十川の水系。愛媛県側に入ると鬼ヶ城山(1151m)を通り宇和島へ。

10・大峠(高知・愛媛)

黒尊川沿いの黒尊の集落から西谷林道を走り、高知・愛媛県境の大峠へ。峠は素掘りのトンネルで貫かれている。中は暗い。愛媛県側は大峠林道になる。

11・玖木山林道の峠(高知)

黒尊川沿いの玖木の集落から入った玖木山林道の峠。西土佐村と宿毛市の境。ここまでが四万十川の水系。峠を越えると宿毛湾に流れ出る松田川になる。

12・水ヶ峠(高知)

西土佐村の藤ノ川岩間林道で越える峠。「四万十楽舎」に近い国道441号の岩間の集落から入っていく。峠周辺からの眺望は抜群。峠から一気に藤ノ川へ。

13・韮ヶ峠(愛媛・高知)

愛媛県側の肘川の水系から韮ヶ峠を越えて高知県に入るとまた四万十川の水系に戻ってくる。峠を下ると支流の四万川。「坂本龍馬脱藩の道」で知られる峠。

14・地芳峠(高知・愛媛)

国道440号の越える峠。ここまでが四万十川の水系。峠では「日本三大カルスト」の「四国カルスト」横断の県道383号と交差する。標高1084m。

15・三坂峠(愛媛)

四国縦断の幹線、国道33号の越える峠。ここまでが太平洋に流れ出る仁淀川の水系になる。前方には瀬戸内海と松山の市街地を遠望する。標高720m。

16・予佐越峠(高知・愛媛)

高知県本川村吉野川最上流部を走る県道40号の峠。県境の峠で右に行けば山上を走る瓶ヶ森林道になり、左に行けば石鎚スカイラインに通じている。

17・奥白髪林道の峠(高知)

本山町と大豊町の境。この峠をはさんで本山町側が奥白髪林道になり、大豊町側が仁尾ヶ内林道になる。白髪山(1470m)の北側。見事な山岳風景を一望。

18・見ノ越(徳島)

四国第2の高峰剣山(1955m)直下の峠。ここは剣山観光の拠点になっている。合流する国道438号の丸笹山西側の峠まで行くと、剣山が目の前だ。標高1450m。

19・川井峠(徳島)

重複国道の438号と439号の越える峠。木屋平村神山町の境。このあたりは道幅が狭く、曲がりくねった険しい峠道。要注意。木屋平村の中心が川井。

20・旭丸峠(徳島)

神山町上勝町の境。神山町側から登ったが、峠で剣山スーパー林道と交差する。そのまま直進して峠を下れば上勝に出るし、右折すると山上道で土須峠へ。

(食編)

1・ゴリの唐揚げ

中村の郷土料理店「いなか」で食べたもの。これは四万十川でとれたゴリだ。四万十川産の青のりの唐揚げも食べたが、舌で四万十川を味わう。

2・ばらずし

神山温泉の「保養センター」の食堂で食べたばらずし。東日本では「ちらしずし」というが西日本では「ばらずし」になる。東西食文化の違い。